2013年1月25日(金)18時半より、富山県高岡市の高岡文化ホールで、昨年12月に高岡市で実施した災害廃棄物の試験焼却の結果などについて説明会が行われた。
説明会の後半は、富山大学の近藤隆教授が「放射能の健康、環境に対する影響について」と題する特別講演を行い、放射能の種類や性質などの一般的知識や、細胞のガン化などについて話した。
(IWJテキストスタッフ 関根/奥松)
2013年1月25日(金)18時半より、富山県高岡市の高岡文化ホールで、昨年12月に高岡市で実施した災害廃棄物の試験焼却の結果などについて説明会が行われた。
説明会の後半は、富山大学の近藤隆教授が「放射能の健康、環境に対する影響について」と題する特別講演を行い、放射能の種類や性質などの一般的知識や、細胞のガン化などについて話した。
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近藤教授は「ゴジラ映画などで、放射能の危険なイメージが刷り込まれているので、放射線について正しい理解をしておかないと、余計な不安ばかりが募る。学校では、そういう教育がされていない」と述べて、「たとえばガンマ線、エックス線は電磁波の一種で、携帯電話の電波などと同じ種類である。それに対してベータ線や中性子線は、質量を持っているので、少し性質が違う。今回の福島原発事故で、特に環境に有害と言われているのがガンマ線とベータ線である」と、放射線の基本を解説した。
続けて、近藤教授は自然界の放射線について、「宇宙からは常に粒子の放射線が降り注いでいる。自然界の放射線は花崗岩に多いため、西日本の方が線量が高い。岩木山の標高1500mくらいだと、放射能は地上より2倍くらい高い。飛行機で東京・ニューヨーク間を飛んだ場合は、0.1ミリシーベルトくらい浴びる。また、人間も独自にカリウムという放射線を発している。満員電車に乗ると、野原でひとりぼっちの時より2倍くらい高いと言われている」などと話した。
また、「放射能のガンなどへの影響はよく言われる。白血病、白内障、ガンなど、低線量被ばくでの発症も懸念されている。因果関係が明白でないこともあって、ガン発症に対する放射能被ばくの閾値が現状、設定されていない。専門家によっても、危険度の意見が違う。自分は放射能より化学物質の方が危険だと思っている」と持論を述べた。
さらに、「福島の原発事故では、莫大な量の放射性物質、ヨウ素、セシウムなどが飛散した。自然界の放射線との見分けも難しい。しかし、現在の人間の死亡率では、感染症が一番が高い。放射能によるガンの危険性は言われてはいるが、生活習慣も多大に作用・影響している。また、医療でも放射能は使われている」と語った。
最後の質疑応答では、市民から、内部被ばくの不安や、環境面への影響について疑問が寄せられ、「試験焼却だけで留めて、本焼却は中止してほしい」「復興予算を使って、高岡市で処理すべきことなのか」などの声が上がった。