2013年1月19日(土)13時30分から、長野県上田市の西部公民館で「第2回 相乗りくん説明会」が行われた。「相乗りくん」とは、太陽光パネルを設置する屋根オーナーが、10万円からの資金をパネルオーナーから集めて、売電収入などを分け合うシステムである。市民の手で、地域に自然エネルギーを増やすための身近な取り組みとして注目されている。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年1月19日(土)13時30分から、長野県上田市の西部公民館で「第2回 相乗りくん説明会」が行われた。「相乗りくん」とは、太陽光パネルを設置する屋根オーナーが、10万円からの資金をパネルオーナーから集めて、売電収入などを分け合うシステムである。市民の手で、地域に自然エネルギーを増やすための身近な取り組みとして注目されている。
■ハイライト
藤川氏は、2011年11月より、市民の手による自然エネルギーの普及活動として始めた「相乗りくん」という事業について、「3.11をきっかけに、エネルギーの地産地消のために市民ができることとして、太陽光パネルを設置して発電することを考えた。東信地方は本州の中でも日照時間が長く、日射量も高い地域であること、夏も比較的涼しいことや雪もさほど多くない地域ということで、太陽光発電が適している」と述べた。
太陽光発電の利点は、小規模なものから始められ、設置も数日でできること。発電量と売電量を日々実感する事で省エネが進むこと、などが上げられる。一方で、初期費用の問題や、自宅がアパートやマンションや借家、日当りが悪いなどの悪条件があると難しい。
藤川氏は「『相乗りくん』では、初期費用を出し合って、屋根と太陽光パネルと売電収入をシェアすることで、誰もができる太陽光発電をめざした。相乗りする人(=出資する人)は、全国どこからでも、10万円から参加することができる」と話した。
屋根オーナーとパネルオーナーはパネルの設置費用をシェアし、屋根オーナーは、自分の家で使う電気以外の余剰分を売電する。パネルオーナーは、出資したパネル分に応じて全額売電する。売電収入のうち、最初は10年保証によりパネルオーナーに収入が入り、次の2年間はNPO法人の収入になる。12年後からは、設置したパネルも含めて、すべて屋根オーナーの収入(財産)になるシステムである。長野県上田市は、日照時間などの関係で、全国平均よりも1割ほど発電効率がよい。さらに、東信地方の中でも、日当りが良い南向きの場所を審査した上で集中的に設置するため、他より2割ほど発電効率を上げることも可能であるという。
藤川氏は「現在は、協賛会員を含めて60人ほどだが、まずは100人規模を目指したい。地域における市民の活動が、国や企業が自然エネルギーに前向きに取り組む起爆剤になってくれたら嬉しい」と話した。