【寄稿】投票用紙の鉛筆書きは消える!? 投票所で実験した驚きの結果!! 2025.7.30

記事公開日:2025.7.30 テキスト
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(取材、文・高橋清隆)

 「選挙の投票用紙に鉛筆書きした名前は、ウェットティッシュでこすると簡単に消える」―こんなうわさを聞いたことがある人は多いだろう。筆者は7月20日投票の参院選で実際に試したところ、驚くべき結果が出た。ここにその経緯を紹介する。

 数ある不正選挙絡みの都市伝説に、筆者はあまり関心がなかった。10年以上前、ある衆院議員候補の選挙区選挙を選挙事務所に詰めて取材していたとき、ある地元テレビ局の人間と親しくなり、出口調査の結果をこっそり教えてもらっていた。開票結果は、教えてもらった数とほぼぴったり一致していた。

 今回、実験する意欲が湧いたのは、20日の投票日の午前中、フェイスブックで興味深い投稿が目に留まったからだ。元日本郵便副会長の稲村公望(※)氏が、投票用紙に鉛筆書きしたものをウェットティッシュでこすったら本当に消えたことを報告されていた。稲村氏とは個人的にも親しくさせていただいて、信頼を置く。この人がうそをつくはずがないと思った。

※1948年12月10日生まれ。日本の郵政・総務官僚、外交官、経営者。「月刊日本」客員編集委員。反郵政民営化の論客として知られる。琉球列島米国民政府占領下の奄美地方徳之島出身。総務省政策統括官、郵政事業庁次長、日本郵政公社常務理事、日本郵便副会長を歴任した。

 筆者は選挙戦最終日、広島市内で、ある候補者の応援演説に入っていたため、帰路の新幹線の中で稲村氏の投稿を読んだ。自分も投票所で実験する意欲に駆られた。

 しかし、午後8時の投票締め切りまでに東京に戻れるか微妙だったため、近現代史研究家の林千勝氏や、元国会議員秘書ユーチューバーでジャーナリストの藤江成光(まさみつ)氏らに電話し、「もう投票に行きましたか」と尋ねた。全員すでに投票を済ませていたが、「まだ行ってない人がいるか、当たってみる」と共感してくれた。

 筆者も何とか投票に間に合った。鉛筆で投票用紙に名前を書き、100円ショップで買ったウエットティッシュでこする。すると、書いた文字が用紙の黄色の背景とともに消え、白くなった。スマホで動画を撮ったつもりだったが、録画ボタンを押し忘れていた。

 比例用の2枚目の投票用紙ではうまくいった。こちらは白地のため、手書きした部分だけ消すことは可能だ。持参したボールペンで改めて候補者名を書くが、新品のウエットティッシュは水分を含みすぎていたため、乾くのに時間がかかった。ほどよい水分に調整すれば、きれいに簡単に消すことはできるだろう。

【動画】 https://youtu.be/Y7E9QUu4lME
【バックアップ動画】https://www.bitchute.com/video/nJVDWK9xG8dv/

 帰宅してパソコンを開き、ユーチューブに動画を投稿した。林氏も知人の実験動画を投稿されていた。私と全く同じ結果だった。

 これは大問題ではないか。悪意があれば、開票作業でいくらでも不正ができるはず。しかも、機械を使えば、簡単に消せるとの情報が寄せられた。電磁処理すれば、ボールペンでも消せるという。ムサシの集計機は1分間に660枚処理できることを売りにしている。

 なぜ、このような加工をした紙を使うのか?ユーチューブのコメント欄に、この用紙の開発に関わったと称する人が書き込みしていた。使われているのはポリプロピレン樹脂を主原料にしたユポ紙で、水に強く、インクを吸収しないのが特徴。ペン字はこするとインクがにじむが、鉛筆だと書いた直後にこすってもほとんど消えないという。ユポ紙を使う理由は、折り畳んでも自然に開くから。開票作業では、全ての投票用紙を開いて確認する。「ファクトチェック」の類いのウェブ記事にも、同様の記述があった。

 しかし、これは表向きの理由かもしれない。実際、どうにでも処理できるのだから。

 動画の中で、私はいずれの投票用紙にも立憲民主党の候補者名を書いているが、同党の支持者ではない。川田龍平氏はワクチン薬害に唯一反対している参院議員だと思っている。奥村政佳氏は顔も知らないが、武見敬三(自民)前厚労相を落としたい一心で入れた。

【写真】開票から2日たった後も、検索に「川田龍平氏が当選確実」のデジタルタトゥーが残る

 結果は、川田氏も奥村(政佳)氏も武見氏も落選した。川田氏は読売新聞がいったん、「当確」を出している。不可解だ。

 ちなみに、投票所での動画撮影について筆者は注意を受けた。投票所内での録音・撮影は禁止しているとのこと。根拠を尋ねると、区の「投・開票秩序方針」によるもので、公職選挙法上の規定はないそうだ。

著者紹介:高橋清隆
 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から反ジャーナリスト。『週刊金曜日』『月刊THEMIS(テーミス)』『Net IB News』などに記事を掲載。
 著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)、『山本太郎がほえる〜野良犬の闘いが始まった』(Amazonオンデマンドーー「ネクパブPODアワード2020」優秀賞)。近著に、『メディア廃棄宣言』(ヒカルランド)がある。翻訳本にデーヴィッド・アイク著『答え』第1巻〜。
ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/
e-mail: urepytanopy@yahoo.co.jp 

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