【IWJ速報】とうとう恐れていたことが! 大阪・関西万博、開幕から2週間も経たないうちに来場していた女性が倒れ、死亡! 万博協会は、この死亡事件を新聞にすっぱ抜かれるまで、2日間認めず、公表もせず! いまだに死亡事件を報じない 大手新聞も!「いのち」を散々、賛美して、あげく人の命を落とすことになり、しかもそれを隠蔽する万博協会! 2025.4.27

記事公開日:2025.4.27 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 とうとう恐れていたことが、起こりました。

 大阪・関西万博は明日の27日日曜日で、13日の開幕から2週間を迎えます。様々な懸念の中で開幕した大阪・関西万博ですが、開幕から2週間も経たない24日、とうとう、60代の女性が会場内で体調が悪くなり、病院に緊急搬送されるも、死亡が確認されるという事件がおきました。

 万博を楽しみに会場を訪れたのであろうと思われます。亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。

 この死亡事件を報じたのは、25日夜10時20分の『産経新聞』でした。この時点で亡くなった女性は「50代」と報じられていました。

 『産経新聞』は、「今月24日、来場していた50代の女性が心肺停止の重篤な容体で救急搬送され、その後に死亡していたことが25日、関係者への取材で分かった」と報じました。

 『産経新聞』は、日本国際博覧会協会(以下、万博協会)の関係者は、「開幕後、熱中症などでの搬送はあるが、来場者が搬送されて死亡したのは初めて」だと述べたことを報じています。

 女性は24日、体調不良を訴えて、会場内の医師の診察を受けましたが、さらに体調が悪化し、午後2時半ごろ、西ゲートから場外の病院に救急搬送されました。

 女性はすでに意識不明の状態で、救急隊員の心臓マッサージを受けましたが、その後、病院で死亡が確認されました。

 万博協会は『産経新聞』に対して、「搬送後の経過については答えられない」としています。

 なぜなのでしょうか?

 なぜ、万博協会は、回答できないのでしょうか?

 体調の異変や搬送後の経過などは、プライバシー侵害に相当するようなことではないはずです。自分達の責任を追及されるのは困るという、組織防衛のためではないでしょうか?

 『産経新聞』が、万博関係者の談話として24日に起きた死亡事件を翌日の夜にスクープしたことになります。日本万博協会は、25日の夜、『産経新聞』の記事が出るまで、この死亡事件を発表していませんでした。

 万博協会は、毎日メディア向けのレクチャーを行っており、来場者数などを発表していますが、傷病者の発生については公表していません。

 協会関係者は、『産経新聞』に対して、「今後は発表する方向で実務的な調整をしている」と話した、とあります。

 26日になって、ようやく万博協会も「来場していた60代女性が心肺停止の重篤な容体で救急搬送され、その後死亡していた」事件があったことを認めました。報道陣の取材に応じた万博協会の担当者は、「ご冥福を祈り、心よりお悔やみ申し上げる」とコメントしました。

 万博協会の担当者は、24日に起きた死亡事件を26日まで発表しなかった理由を、「取り扱いに細心の注意を要する個人に関する情報と考え、公表を控えてきた」と説明しています。

 万博協会は、プライバシーに関わる情報だとして、死亡した女性についての情報や、女性が体調の悪さを訴えてから会場内で受けた手当、死亡に至るまでの詳しい状況や死因を明らかにしていません。

 万博協会は、「今の時点では、会場内で適切な措置がなされたと考えている」と主張しています。

 情報を開示もせずに、「適切な措置がなされたと考えている」とは、何事でしょうか!?

 亡くなった女性の個人情報の保護を理由にして、倒れた原因、それがどのように死につながってしまったのか、明らかにする責任があるはずです。何もその方の、住所、氏名、生年月日、までを公開せよ、と言っているわけではありません。

 持病があって、たまたま会場で突然悪化したのか、それとも、持病もなく、元気に万博会場までやってきたけれども、会場内に体調を悪化させる原因があったのか。

 あったのだとすれば、その原因は何か、突き止めた上で、明らかにし、今後、同様の犠牲者が出ないように、緊急で対策する必要であるのではないでしょうか。情報を隠蔽するものは、絶対に原因究明や対策など、行いません。

 万博協会も、大阪府、大阪市にも、主催者としての、自覚も、能力も、誠実さも、足りないと言わずにはいられません。

 開幕に至るまでに、数々の批判が上がり、特に会場に来られる方々の安全配慮、健康や心身への負荷などの大きさに問題があると、我々も何度となく、指摘してきました。

 しかし、そうした批判や忠告に対して、「嫌なら来るな」「政治問題だ」などという、お門違いの反論で返すだけで、真っ当な改善策を講じて来なかったのが現実です。

※【第1弾! 穏やかな春はあまりに短い! 大阪・関西万博開幕後初の土曜日は、28度を超える夏日に! 無料給水所には長蛇の列!!】埋立地で周辺に日差しを遮るものがなく、大屋根リング以外にまとまった日陰のない万博会場は、「熱中症製造機」!?(『毎日新聞』、4月19日ほか)(日刊IWJガイド2025.4.21号)
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※【第3弾! 万博は4日目にしてボロボロ!(その2) 万博応援団の辛坊治郎氏が、大屋根リングの「350億円は安い!」と『X』投稿! に批判殺到!「むしろ無批判に受け入れてる方がバカだろ」!「2億円掛けたトイレも、開催初日の午前中から使えないとなると色々と味わい深いですよね」!「いずれ、この万博が日本のというか、むしろ大阪の衰退に大きな原因である事が明らかになるのです(笑)」!】その赤字を国民平等にツケにするな! 受益者負担にすべき!!(辛坊治郎氏『X』、2025年4月14日ほか)(日刊IWJガイド2025.4.18号)
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※【第1弾! 万博は4日目にしてボロボロ(その1)! トイレ問題が噴出!! トイレは排水詰まり、オールジェンダートイレはガラガラ、女性には女性用トイレが必要との声も! 子供トイレは間仕切りもなし! デザイナーズトイレはわかりにくく、初日から故障も!】TOTOがついに怒る!(『週刊女性プライム』、2025年4月14日)(日刊IWJガイド2025.4.17号)
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※【第1弾! 大阪万博会場で落雷の恐れが! 大屋根リングの上への立入を一時禁止に! リングの下も、横殴りの風雨が吹き込む!】万博協会は「(大屋根の上は)落雷の危険性が高い」「人体へ雷が飛び移る危険性」を認識! 10日の奈良の学校グラウンドへの落雷事故で2名重傷! 学校側は「雷鳴は聞こえず、1発目の雷だった」と明らかに! これから雷シーズン本番! なぜ万博協会も大阪府も、避雷針を設置しなかったのか!? 風雨をしのぐ屋根のある実用的な避難所、休憩所も不足! これから梅雨、猛暑の夏、台風が閉会まで続く! 大丈夫か!?(『共同通信』、2025年4月14日)(日刊IWJガイド2025.4.16号)
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 他の主要メディアの反応の鈍さも気になります。

 26日の午前中には、万博協会が死亡事件があったことを認めているにもかかわらず、26日の18時現在でも、『読売新聞』、『日本経済新聞』、『毎日新聞』は、この死亡事件を報じていません。テレビでは、テレビ朝日系列局が報じ、YouTubeにも掲載していますが、他局による報道をネット上では確認できません。このあと、後追い報道があるかもしれませんが、あまりに遅すぎます。

 『朝日新聞』は、万博協会の発表を受け、大阪府警の情報とあわせて、「熱中症ではなく、病死とみられる」と報じました。経緯は以下です。

・24日午後2時40分頃 万博会場の消防職員から「女性が心肺停止状態」と119番通報があった。

・女性は60代で、会場の西ゲートの近くで倒れていた。

・会場内の診療所で常駐する医師による処置を受けていたが、容体が悪化。

・会場外の病院に救急搬送されたが死亡した。

 『朝日新聞』のどこを読んでも、「熱中症ではなく、病死とみられる」と判断する、理由や根拠が書かれていません。出歩くことができるような元気な人が、急死したのに、病死と判断した、その根拠を示すべきです。

 60代、とされていますが、現代の日本では、もし仮にその方が、60代前半であれば、年金支給年齢にも届かない、前期高齢者にも当てはまりません。

 そうした、まだ年寄りとも言えない方が、熱中症以外で、急死した原因やり、病因なり、あるというのであれば、このような病気を抱えている方は、ご来場をご遠慮ください、などと広く通知すべきです。

 沈黙を守っている大手新聞に対し、SNSなどでは、大阪・関西万博で起きた初めての死亡事件について、不安の声が上がっています。

 特に、死因や、死に至る経過が伏せられているために、「熱中症ではないか」という投稿が多く、エアコンのきいた休憩所もなく、日陰もほとんどない、万博会場では、今はともかく、間近に迫る夏場に向けて、熱中症が多く発生するのではないか、という不安の声が多くなっています。これは、IWJでも、過去に何度も指摘してきた問題点でもあります。

 万博協会によれば「熱中症ではない」ということですが、多くの人が「熱中症」と結びつけて考えた要因は、複数に及びます。

 ネット上で指摘されているポイントは、以下のとおりです。

・万博会場が海に囲まれた埋立地であるために、湿気が多い。

・会場の周囲に建築物や樹木がなく、暑さを防ぐものがない。

・会場内に日差しを遮るものがほとんどなく、大屋根リングの下しか日陰がない。

・トイレが特殊(デザイナーズトイレ、ジェンダーフリートイレなど)であるため、使いにくく、絶対数も少なく、トイレ待ちの行列が、常時できている。失禁してしまった人もいると噂され、自ずと水分を控えざるを得ない。

・熱中症対策には、水分の補給と日差しを浴びないよう、涼むことが必要だが、無料給水所も需要に対して不足していて、水を求める長蛇の行列ができ、日差しのもとで並んで待たなければならない。

・アクセスが地下鉄とシャトルバスしかないために、入場にも数時間待ちの行列ができ、会場から出て帰路に着くにも、地下鉄の駅周りが大変な混雑で、長時間立ちっぱなしで待たなければならない。さらに、○日に起きたように、地下鉄に遅れが生じると。大混乱となる。その時に、シャトルバスでは、代替の交通手段とはならない。

 大阪の夏の日差しを考えると、埋立地である「夢洲」で、舗装された会場の地盤や建築物に熱が蓄積されていき、さらに海からの湿気で、かなり高温多湿の厳しい環境となることが予測されます。

 そこに、ゴールデンウィークや夏休みなどを利用して来場者が増えた場合、熱中症が増えるのではないか、と考えるのは自然なことです。

 大屋根リングがあるとはいえ、会場全体の広さに対して、大屋根リングが作る日陰はあまりにも少ないと言わざるを得ません。座れるベンチもほとんどありません。

 そもそも、大屋根リングの下にいては、パビリオンに入場するために、列に並ぶこともできず、何をしにきたのか、わからなくなります。実際、入場したが、一つもパビリオンに入らずに帰った、とか、1館だけしか入れなかった、という声が、SNSでは、多数、上がっています。

 先述したように、トイレも行列しなければならないとなれば、水分摂取をためらう来場者も多いことでしょう。

 水分摂取したくても、炎天下で給水所に並ぶのでは、本末転倒です。会場を訪問した多くの人が、熱中症対策が不十分であり、苦痛だと感じるのは無理もありません。

 暑さを防ぐ最も効果的な方法は、「日陰」を作ることです。これも、今までIWJでは、なんども忠告してきたことですが、簡易避難テントを貼って、冷房を入れたり、給水所の数や、トイレも簡易トイレを多数増やすべきです。デザインとか、見栄えを気にしている時ではありません。デザイナーファーストではなく、ユーザーファースト、ユーザーフレンドリーであるべきです。

 テント幕を並ぶ行列や休憩所の上に張って日陰を作るといった工夫は、今すぐにでも、できるのではないでしょうか。

 あるいは、パビリオンなどは、整理券を発行するようにしたらどうでしょうか。デジタルでやる必要などありません。紙で十分です。

 そうすれば、だいたい30分待ち、だとわかったら、どこか日差しをさけて、座れるところに避難できます。また、こうした、日陰を作ることは、これからの梅雨や、真夏のゲリラ豪雨、台風にも、雨除けとして、対処できます。

 なお、樹木は天然の水タンクであり、日陰を作り、空気を冷却することができます。ゴミ埋立地の土壌で、舗装されていては、樹木を植えられず、育たないかもしれませんが、大きなプランターボックスを配置して木陰を作り、炎天下の行列待ちの苦痛を和らげることもできるのではないでしょうか。緑陰はまた、雨をも凌ぐことができます。

 パビリオンの中に入らなくても、来場者が日差しを避けて休憩できる場所がもっと必要です。「石」をワイヤーで作って、頭上にぶら下げている悪評高い休憩所がありますが、蓄熱する「石」で暑さを防ぐことはできません。あのような建築は、建築家の自己満足、驕り以外の何者でもありません。

 しかも、雨も凌げない、日差しも遮らない、いつ、落ちてくるかわからず、心理的にくつろげないと、最悪です。あのような石は、さっさと撤去して、雨も日差しも遮るテント幕を頭上に貼るべきです。

 今回発生してしまった死亡事件では、亡くなった女性がどのように会場外の病院に搬送されたのか、アクセスの悪い万博会場からどのくらいの時間で病院に到達したのか、不明ですが、「手遅れ」にならないような搬送ができていたのでしょうか。

 今後、救急搬送の必要な人が増えた場合、会場から病院へのアクセス時間は、大事な問題になってきます。

 日本は高齢化が進んでおり、持病持ちの中高年者も、たくさんいます。こうした、体力弱者にフレンドリーな会場にしないと、万博のようなビッグイベントを開催し続けることは、この先、不可能です。

 具合悪くなった人は、すぐに応急処置ができるような体勢を整えなければなりません。万博会場外の救急車が、病院に速やかに到達できるのかも、懸念されます。

 地上のアクセスが非常に限られていて、かつ前述したように輸送力が不足している埋立地なのですから、海上のアクセス、つまり「船」を使ったアクセスやサービスを利用しない手はありません。

 海上の脇に病院船を停泊させておいて、緊急医療を施すのは、災害などの緊急時には、よく使われる手です。会場内に病院がないのですから、船を横付けしておく以外に、医療スペースを確保しておく方々はありません。

 また、船を使って、緊急事態に陥った人々が「夢洲」から脱出し、病院に向かう海上アクセスを確立するなど、できることはあるはずです。

 しかし、残念ながら、「万博の船輸送」は、構想されていたのですが、航路・運航本数ともに、当初の想定のように実現できていないそうです。

 25日付『東洋経済』によると、「万博に間に合わせて完成した設備がことごとく稼働していない」とのことで、輸送計画の甘さが浮き彫りになっています。

 安治川から大阪湾上の「夢洲」に行くための「十三船着場」「中之島GATE」が建設されたものの、「万博会場行きの定期便は、未だにまったく就航していない」という有様です。あまりにも、計画がずさんだと言わざるをえません。

 もう一つだけ、緊急事態に備える方法は、ドクターヘリです。持病持ちであれ、持病のない方であれ、財布への負担だけでなく、心身への負担の大きすぎる万博に来て、体調がおかしくなる方が、いないと考える方がおかしいと言わなければなりません。

 誰であれ、具合が悪い、放置していては危ない、という方は、ドクターヘリで救急搬送すべきです。しかし、ヘリポートや輸送ルート確保、受け入れ病院の確保など、万博協会や大阪府らは、考えたことがあるのでしょうか?

 もはや、万博会場に向かうということは、海の孤島にて、一時的に「難民化」するに等しい体験である、というべきです。

 私(岩上安身)は、決して万博そのものに反感もなければ、興味がないわけでもありませんが、高血圧や狭心症、腰痛など、いくつかの持病があり、かつ、加齢によって、体力も落ちているので、到底、その場所に行く勇気がありません。

 私は、その会場で「難民化」したら、サバイバルできないだろうと思います。

 なぜ、万博会場を「負の遺産」と言われる「夢洲」に設定したのか。それは「カジノ」のためであることは明白です。

 IRのために、アクセスの悪いゴミ埋立地をわざわざ会場に選び、10億円を超える公費を注ぎ込んでインフラ整備を行っているにもかかわらず、来場者が快適に、安全に万博を楽しむための配慮があまりにも少ないのではないでしょうか。

 皮肉なことに、大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。万博の目玉であるシグネチャー・パビリオンでは、「いのちの未来」「いのち動的平衡館」「いのちめぐる冒険」などのテーマが並んでいます。

 現実には、「いのち」を危うくするような仕掛けだらけです。

 カジノができればそれでいい、カジノのために万博を利用しているだけ、来場者の「いのちの安全」のことなど、本当にどうでもよく、念頭から消えていた、という大阪維新の政治の本音が、こうしたずさんな計画から透けて見えてきます。

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