石川雅己前千代田区長が一般販売されない住戸購入の見返りに区有地を無償貸与!? 不動産賃貸売上は年間2億7000万円!!~11.26日比谷ミッドタウン広場における千代田区の土地・建物の無償貸付に関する住民訴訟提起の記者会見 2021.11.26

記事公開日:2021.12.3取材地: テキスト動画
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(取材、文・IWJ編集部)

 2021年11月26日(金)午前11時半より「日比谷ミッドタウン広場における千代田区の土地・建物の無償貸付に関する住民訴訟提起の記者会見」が開かれた。原告は千代田区民・元千代田区議の松本佳子氏、竹田靖子氏、小山みつ子氏であり、本会見には竹田氏、小山氏と訴訟代理人の大城聡弁護士が出席した。

 本訴訟は、千代田区が「一般社団法人日比谷エリアマネジメント(以下、『日比谷エリマネ社』)」に対して、日比谷ミッドタウン広場における区所有の土地及び建物を無償で貸し付けているという区の財産管理上の問題と、その是正を樋口高顕(たかあき)現千代田区長が行っていないこと、ならびに石川雅己前千代田区長及び坂田融朗(みちあき)現副区長(当時のまちづくり担当部長)に対して、現区長が日比谷エリマネ社の上げている利益分の損害賠償請求を行使していないことの違法確認を求めて、原告団が東京地裁に提訴した住民訴訟である(地方自治法第242条の2第1項3号に基づく)。

 訴状によると、区は2016年にミッドタウン日比谷の店舗や駐輪場などが入る区有施設「ステップ広場」について、日比谷エリマネ社に20年間無償貸与する契約を締結したという。

 日比谷エリマネ社は、2015年3月に三井不動産が地元企業や町会などとともに設立した一般社団法人で、同年6月24日に千代田区により都市再生推進法人に指定され、日比谷周辺施設と連携し、日比谷の文化やエンターテインメントを発信すると称し、その活動を行うための財源は、ステップ広場等の運営収入を充てている。

 ステップ広場の資産価値は土地が約225億円、建物は約30億円に上り、広場の維持管理を業務とする日比谷エリマネ社の平成30年度決算書では、不動産を転貸して得た同社の売上は、年間2億7420万8085円、当期純利益金額6284万7162円にのぼった。

 原告団は、「これは本来であれば区に帰属するべき収益であり、千代田区は日比谷エリマネ社に無償ではなく適正価格で賃料を設定すべきで、樋口区長が契約見直しを協議しないのは違法だ」と指摘している。大城弁護士は、地方自治法237条の「…普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない」も挙げ、この貸し付けの正当性が疑わしいと述べた。

 日比谷エリマネ社への無償貸与は、石川雅己前区長が2017年に三井不動産系デベロッパーから一般販売されない「事業協力者住戸」を購入していた問題から発覚し、昨年、千代田区議会百条委員会の調査の中で判明した。

 無償貸与が議会への報告なく決まり、石川前区長のマンション購入と時期も重なっていることなどから、三井不動産側と石川前区長との癒着があらためて疑われている。

 会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2021年11月26日(金)11:30~
  • 場所 司法記者クラブ(東京都千代田区)

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