中国では旧正月の春節を迎えた25日、湖北省武漢市を中心に、全土に感染が拡大する新型コロナウイルスによる肺炎で、死者が新たに15人増え、41人となったことがわかった。
(IWJ編集部)
特集 #新型コロナウイルス
中国では旧正月の春節を迎えた25日、湖北省武漢市を中心に、全土に感染が拡大する新型コロナウイルスによる肺炎で、死者が新たに15人増え、41人となったことがわかった。
国家衛生当局によれば、現地25日午前0時時点で、湖北省での死者数が15人増加とのこと。感染が確認された患者数は計1287人、重症は237人である。
23日に武漢市は事実上封鎖され、中国の人民解放軍は24日、上海などから武漢に向けておよそ450人の医療チームを派遣。湖北省や北京市、上海市などは24日、今回の肺炎を肺ペストなどと同レベルの「重大な公共衛生事件」の「1級」の防疫態勢に入った。武漢では対策のため、1000床の新病院をわずか10日間で建設中で、2月3日には稼働予定である。
中国はまさに国家的規模で対応を進めはじめた。
2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS、サーズ)対応で知られる、香港大の管軼(グァンイー)教授は、21~22日に武漢市で現地調査した上で、「SARSの10倍以上の感染規模になる」と明らかにした。SARSでは中国で349人が死亡したことが知られる。管軼教授は、住民や政府の防疫意識の低さから、「すでに制御不能だ」と判断して武漢を離れたと読売は報じている。
一方、日本では、武漢在住の30代女性が旅行で東京訪問中に発熱、25日、新型コロナウイルス感染が確認された。18日に来日、21日の夜に発熱やせきが出て、23日に都内の医療機関を受診した。日本国内で感染が確認されたのは3人目だ。
18日の来日時に症状はなく、家族など3人と都内で行動、移動時はマスクを着用していたとのこと。女性は症状が軽いため入院せず、発熱後はホテルで過ごし、他の3人は25日まで発熱などの症状は出ていないとのことである。
日本国内では武漢から帰国した神奈川県在住の30代の中国人男性が、15日に感染が確認されたほか、24日は観光で東京を訪れた武漢に住む40代の中国人男性も感染が明らかになっている。
また24日に、北海道の千歳市では、武漢から道内に訪れていた33歳の中国人女性が高熱を訴え、千歳市内のホテルから病院に運ばれており、東京の国立感染症研究所に検体を送り、確認を急いでいる。
中国での急激な感染拡大状況を見ると、日本での拡大、さらにはパンデミック(感染症の世界的流行)への拡大を懸念する声さえある。24日時点で、中国本土以外で、9つの国や地域で、感染が確認されているためである。
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