東京電力 原子力改革監視委員会 記者会見 2012.12.14

記事公開日:2012.12.14取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・角田/奥松)

 2012年12月14日(金)17時から、東京都千代田区の東京電力本店で、原子力改革監視委員会の記者会見が開かれた。会見者は、デール・クライン委員長、バーバラ・ジャッジ副委員長、大前研一委員、櫻井正史委員、鈴木一弘事務局長、そして東京電力取締役会長でもある下河邉和彦委員。各分科会の活動状況の報告などが語られた。

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 分科会において、国際面を担当しているクライン委員長は、まず第2回の会合が行えたことをうれしく思うと述べ、「社員一人ひとりが安全について理解し、安全こそがナンバー1だと意識することが必要」と、大きな指針を語った。自主規制面を担当するジャッジ副委員長は、「取締役会直属の自主規制組織をつくる必要がある」とし、独立した組織で安全性基準を作成していくことを提案した。危機管理・倫理面を担当する櫻井委員は、「稼働率の低下=リスク、としてきた経営層の考えは変更してもらう。安全については、実効性のあるプランと、継続性のある対応策で臨んでほしい」と述べた。

 技術面を担当する大前委員は、「東京電力が本気で原子力改革に取り組む意志があるのか、確認するための作業を行った」と話し、「福島第一原発の建設時、住民にどういった説明をしたのか」「アメリカが行ったテロ対策の安全停止(B.5.b)の情報は、震災前に届いていなかったのか」「3.11から安全宣言が出されるまで、東電や官房長官の説明は正しかったのか」などを検証したことを報告した。

 「東電の経営において、今回の原子力改革監視委員会の内容を、共通の認識とした」という下河邉委員の受け止めの後は、質疑応答が行われた。「委員会のこうした内容は、原子力発電の再開が前提になっているのか」という質問には、「そのようなことはない」と答える下河邉委員に対し、大前委員は「原発再稼動を前提に、提言をしている。会長とは意見が違うようで、意外な感じがした」と発言。委員の間で意見の相違が見られ、事故調査や安全性に対する意識向上は進んでいるものの、東京電力が原子力発電そのものを、どのように考えているのかは不明瞭なままで、会見は終了した。

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