岩手県雫石(しずくいし)町の一部地域に水道を供給している民間会社が、利用者に新たな料金負担を要求し、支払わなければ水道の供給を停止すると一方的に通知していた問題で、当面は水道供給が続く見通しとなった。
- 当面供給継続の見通し 雫石・水道問題、第三者弁済申し入れ(岩手日報、2018年12月18日)
宮城県仙台市の民間会社「イーテックジャパン」は、雫石町長山岩手山の住宅やペンションなど35軒に水道を供給している。同社は2018年12月8日に開いた住民説明会で、経営悪化で電気料金を滞納しているため、井戸水を汲み上げるポンプの電気料金負担を住民に要求。17日までにこの追加請求に応じなかった場合は、水道の供給を停止すると通知していた。
しかし、12月18日付の岩手日報によると、住民側代理人の大越大輔弁護士と住民代表のハクセル美穂子・岩手県議が、東北電力岩手支店に対して第三者弁済の意思を伝え、イーテック社への電力供給を停止しないよう求めたとのこと。少なくとも1ヶ月から2ヶ月の間は、住民への水道供給停止を防ぐことができそうだという。
IWJは2018年12月17日から19日にかけて、雫石町に八重樫拓也記者を派遣。2人のペンションを経営者の証言を得ることができた。この2人は他の多くのメディアの取材にも答えたが、コメントの一部を使われただけだったことを不満に思っており、IWJが「お話いただいたこと全部を、編集なしで流します」と伝えると、大変喜んだ。
一方でイーテック社は、IWJによる電話での取材には応じなかったため、八重樫拓也記者が12月19日、宮城県仙台市にある同社のビルに赴き取材を試みた。八重樫記者はインターフォンを押して直接取材を申し込んだが、「現在、取材には一切お答えしない」との返事が返ってきたのみだった。