第49回 日本の司法を正す会 2012.12.6

記事公開日:2012.12.6取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 2012年12月6日(木)、東京都千代田区の村上正邦事務所で、「第49回 日本の司法を正す会」が行われた。ゲストには林秀子氏と、彼女を担当する加藤豊三弁護士が招かれ、三井住友銀行と争った裁判について議論が行われた。林氏は、旧住友銀行へ預けたはずの21億円の返還を求めて訴訟を起こしているが、銀行側は、この預金について存在を否定している。

■ハイライト

 この事件は、ほとんどメディアに取り上げられていないこともあり、多くの出席者は予備知識を持ち合わせずに参加しており、予定時間の大半が事件の概略と要点の整理に費やされた。後半で、司会の青木理氏(ジャーナリスト)から「私のように、この事件の基礎部分の理解に四苦八苦している向きと、専門的な討議している向きの間にギャップがありすぎる」との発言もあった。

 この事件を取り上げたメディアは、月刊『ファクタ』2012年5月号(ファクタ出版)のみとされており、ある出席者は「ファクタの記事だけでは、この事件の真相はとても把握できない」と嘆いた。

 そのファクタの記事は「旧住友銀行支店長『吸血スキーム』解読」とのタイトルで、リード文は「ここまでやるか。女性資産家から預かった定期預金を裏口座に流して簒奪したのにお咎めなし。訴訟でも三井住友は『時効』と言い張る」というもの。おおまかな記事の内容は次の通り。

 ーーかつて、いくつものソープランドを経営していた70代女性の元経営者(林氏)は、今は生活保護の身。彼女は全財産を失った理由に、旧住友銀行の支店長(すでに退職)に預けたはずの数10億円もの預金の消滅を挙げる。林氏は、その元支店長と合併後の三井住友銀行を相手どり、21億円の返還を求めて訴訟を起こすも、銀行は預金の存在を否定。東京地裁45部の石井浩裁判長も、2012年2月28日に請求を却下したーー

 事件を知る出席者の口からは、「簿外」「飛ばし」といった偽装工作を連想させる言葉が飛び出したが、司会の青木氏は、林氏に対し、「1980年代に、ご自身が所有していた土地を売って得た約21億円の小切手を、住友銀行神田支店の支店長に預けたということか」などの基礎的な質問を行い、その支店長がこの事件のキーパーソンであることを、改めて明らかにしていった。

 その後、加藤弁護士が「元支店長と銀行を相手に戦っている」と話すと、出席者からは、「銀行の看板がないとできないことだ」「支店長が勝手にやったことでも銀行の責任は問われる」といった意見が出された。なかには、その支店長に大事な資産の運用を任せた林氏の甘さを、明確に指摘する出席者もいた。

 終盤で青木氏は、日本の司法の現状が抱える問題点をあぶり出し、司法のあり方を正していくという、このワークショップの本来に立場に立ち、「この事件は、刑事責任という点ではすでに時効で、あとは民事上の責任をどこまで問えるかだが、旧住友銀行と、風俗業界で女手ひとつで頑張って稼いできた林さんの戦いは、ある意味で強者対弱者の構図だ。林さんの立場に立つべき司法が、強者である旧住友銀行の側に立っているように見える」と述べた。

 これに対し、加藤弁護士は「裁判所は、三井住友銀行なるものがそんなことをやりっこない、という神話に浸かっている」と説明を加え、青木氏とともに「根っこは特捜神話と一緒」との見解を示した。

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