いのちの党 懇親夕食会 2012.12.5

記事公開日:2012.12.5取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2012年12月5日(水)17時50分より、東京都文京区のフォーシーズンズホテル椿山荘で、「いのちの党 懇親夕食会」が開催された。いのちの党とは、俳優・菅原文太氏の呼び掛けで結成された個人の集まりで、政党ではない。「日本が民主主義の根ざした国になるよう、国民、政府に提言する」という目的を持ち、結成された。

■ハイライト

  • 内容
    開会挨拶:菅原文太氏(俳優)
    挨拶:井戸川克隆氏(双葉町長)、茂木健一郎氏(脳科学者)、田中克氏(京都大学名誉教授)
    基調講演:宮脇昭(横浜国立大学名誉教授)
    閉会挨拶:山中昭栄(全国町村会事務総長)

 まず、いのちの党の趣旨説明の後、菅原氏が「最近は凍ることがなくなった河口湖も、数十年前までは荷馬車が渡れるほど氷が張っていたという。私の地元の宮城でも、冬は湖で子どもがスケートをしているのが普通の光景だった。そういう悠久のいのちもあった。孫やひ孫の時代になったら、そういう光景はどうなっているのだろうか」と語りかけた。

 続いて、福島県双葉町の井戸川町長は「3.11発災後、行き場のない中で生きている。枝野大臣に会ったとき、支援すると言われ、そうじゃない、国は責任を果たすのではないのか、と聞き返した。細野大臣は責任のデパートだった。しかし、目に見えるように責任を果たされたことはない。福島に取り残された子供たちは、出るに出られず被ばくを続けている。おまかせ民主主義のなれの果てだ」と話した。

 次に、茂木氏が「菅原氏とはラジオの番組で一緒になった。いのちの党を知って、賛同者になることを即決した。政治家に任せられない。信じられる人はつながっていく」と語った。

 田中氏は「気仙沼は、湾が埋め立てられて住宅地になったが、今回の震災で沈下した。すると、すぐにあさりが生育し、カレイが育っている。常に自然は元に戻ろうとしている。コンクリート製防波堤の新築工事に疑問を持つ。自然と共存の道を考えるべきだ」と述べた。

 宮脇氏は、基調講演「いのちの森の防潮堤」の中で、「今は、あまりにも本物と偽物を見る目がなくなっている。いのちは本物である。台風や大雨などの自然災害から人々を守るのは森だ。過去の文明は、森を食い尽くし衰退している。野田首相に、消費税増税よりもまず森を作って欲しい、と進言したこともある。松などは人工的な植物なので弱いが、その風土に合った、タブノキ、シイ、ケヤキなどのポット苗を宮脇式植樹法で植樹すれば、今回のような地震や津波でも耐える森が育つ」とスライドを見せながら説明した。

 また、宮脇氏は「阪神淡路大震災でも、鎮守の森は大火の中でちゃんと残った。地震、大津波、大火、台風、洪水にも耐え、いのちと心と遺伝子を守り、グローバルに生物多様性を維持する。地球温暖化を抑え、地域経済と共生する、本物のふるさとの森を創ろう」と訴えた。

 最後に、山中氏が「国民主権、民主主義と言いながら、はたして根付いているのか? 偽者ばかりになってしまった。本物がどこにあるのか、見極めながら、いのちの党の裏方として支えていきたい」と、閉会の辞を述べた。

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