2018年10月25日、衆議院第一議員会館で、4回目となる「東海第二原発の再稼働審査を問う!原子力規制委員会院内ヒアリング集会」が、「再稼働阻止全国ネットワーク」、「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」の共催で開催された。
7月13日に第3回のヒアリング集会が行われた後、9月26日に原子力規制委員会は、再稼働を目指す茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発について、新規制基準に適合すると認める審査書を正式決定した。事実上の合格である。再稼働には、これに加えて運転開始から40年となる11月末までに、規制委から運転期間延長の認可を得る必要がある。
この日のヒアリング集会では、規制庁から17名の出席があり、原電が規制委に提出した東海第二原発の運転期間延長の認可申請の補正書や、規制委が作成した審査書などを分析して、主催者側が事前に伝えた質問事項13項目に規制庁が答える形で進行した。
「たんぽぽ舎」副代表の山崎久隆氏は、耐震設計の目安となる基準地震動について、規制庁を追及した。
東海第二原発の想定基準地震動である1009ガルは、国内で記録された最大値である、2008年の岩手・宮城内陸地震での4022ガルや、2007年の新潟県中越沖地震の際に柏崎刈羽3号機で観測された2058ガルという数値を大きく下回っており、小さすぎると山崎氏は指摘した。
また、規制委の工事計画審査資料によると、原発の格納容器内で圧力容器を水平に支え、地震時に圧力容器を安定化させる重要な部品であるスタビライザーの部品の一部について、評価結果の判定が、地震に耐えられないことを示している。
山崎氏がこれを指摘すると、規制庁審査部門の職員は、「注記をつけているが、部品の疲労評価が基準を満足していれば耐震性を確保していると評価している」と答えた。しかし、その疲労評価の数値も、基準値にかなり近い数値であり、部品そのものの耐力としてはギリギリ限界だった。
山崎氏が「基準地震動クラスの揺れが2度襲えば持たないですよね」と確認すると、規制庁は「基準地震動が2度来るとは想定していない」と答えた。これに対し、山崎氏は「基準地震動が繰り返し襲うのは常識だ。柏崎刈羽(新潟中越沖地震)は同じ波が3波襲っている。福島第一(東日本大震災)では、現実に基準地震動を超える地震が2度襲っているじゃないか」と訴え、前出のスタビライザーの部品について、「基準値に近すぎて『持たない』と評価すべきものだ。これで『持つ』というのは工学的には考えられない」と断じた。
最近、吉村昭の「三陸海岸大津波」を読んでいて、明治29年の津波は田野畑村では50メートルであったようです。また、100トンもの大きな岩が津波によって打ち上げられたことが書かれています。東海村は低地でもあるし日立からの山並みの端に位置して久慈川沿いでもありますので、大きな地震の時には津波が集中しそうなきがいたします。安易な想定ではどのようなことになるか近辺に住んでいる者にとっては不安です。