小野俊一先生講演会「フクシマの真実と内部被曝」 2012.11.24

記事公開日:2012.11.24取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2012年11月24日(土)18時15分から、兵庫県尼崎市の尼崎市女性センター・トレピエで、「小野俊一先生講演会『フクシマの真実と内部被曝』」が行われた。小野氏は、東電の原子力部門に7年半務めた経験と、医師としての知識を活かし、マスコミでは報道されない放射能による環境汚染問題、内部被曝の問題などの事実を語った。

■全編動画 ※一部音声が欠けているところがあります。何卒ご了承ください。

  • 日時 2012年11月24日(土)18:15〜
  • 場所 (兵庫県尼崎市)
  • 主催 小野俊一先生講演会実行委員会

 小野氏は、はじめに原発の原理についての基本的な解説を行い、「大飯原発は、毎日約200万Kwの発電を行っている。これは毎日、原爆を6発爆発させている事と一緒である」と述べた。廃棄物処理については、「処理する上で、1000年後が特に大事だと説明しているが、あまりにも無責任だ。今から1000年前に源氏物語は書かれたが、現在、原文で読解できる人は、一部しかいないだろう。言語もわからなくなる可能性があるのに、大事だと言っている。人間が管理できるのは、せいぜい30~50年である」と話した。

 続いて、電力会社が採用している総括原価方式について、一般の会社では、収入から必要経費を引いた数字が利益になるのに対して、必要経費に3%掛けた数字が利益になることを説明した。小野氏は「原発を推進すると電気代は安くすむ、というのは嘘だ。電力会社は火力発電で安く発電するよりも、原発による高い経費で発電した方が儲かるのだから、総括原価方式を変えない限り、電力会社は無駄をし続けるだろう」と指摘した。

 また、防災用事故シナリオの映像とともに、台所の器具など、身近なものを例に挙げて、福島第一原発事故の推移を解説した。圧力鍋を原子炉に見立て、「ベントができる(圧力鍋の形を保ったまま、弁を開けて中身を外に出す)か、できない(そのまま台所で爆発する)か。NHKの解説者は、それを理解しないまま解説していた。それを聞く普通の人達が、理解できるわけがない」と話した。

 今後の見通しについては、SPEEDIによる解析動画を使用し、「地球上にいる限り、この災害から逃れる事はできない。30年での廃炉は現実的に無理であるし、今後、再臨界も起すだろう。日本だけでなく、ロシア、アラスカ、北米まで放射能汚染が広がっている。引き起こしたのは、日本であり、全員が当事者としての責任がある」と述べた。また、内部被曝と外部被曝の解説を行い、放射線リスクアドバイザーが正しい情報を伝えていないこと、2世、3世被爆の恐ろしさにも言及した。

 最後に、小野氏は「放射能汚染は継続する。汚染されたがれき、放射能を含んだ商品に、何ら規制がかけられず、内部被曝の被害は全国に拡大してしまう。勉強をして、食料品からの内部被爆をできるだけ避け、政府の内部被曝強要に対する抗議を行うこと。原発の再稼働を絶対に許してはいけないことを声に出し、あきらめずに、実際に行動する必要がある」と語った。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です