財務省にまた新たな疑惑が浮上した。
2018年4月4日、NHKは『ニュース7』において、「2017年2月20日、国有地を管轄する財務省理財局の職員が森友学園側に電話し、『トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい』などと、嘘の説明をするよう求めていたことが関係者への取材で新たにわかった」と報じた。財務省職員は、一連のやりとりをメールで省内の複数の関係者に報告していたという。
放送翌日の2018年4月5日、東京都千代田区の衆議院本館にて、「第12回 財務省『森友文書』改竄問題 野党合同ヒアリング」が実施された。
冒頭、富山一成・財務省理財局次長から「本日午前中、麻生太郎副総理兼財務大臣や太田充財務省理財局長から国会で答弁をさせていただいているが、報道があったことは承知をしており、事実関係の確認をさせていただきたい」との説明があった。
説明を受け、野党議員らは、「今回のメールの存在はもうわかっているだろう」、「確認というには具体的に何を確認するのか」、「答えも理解できない、残り13件の決裁文書の原本を一刻も早く出してほしい」、「改竄を指示するメールもあるのでは、と疑わざるを得ない」など、次々と疑問や要望を富山理財局次長に投げかけたが、返答は「現在確認中」を繰り返す内容。野党議員らは呆れるばかりだった。
2017年2月22日、佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(当時)が官房総括審議官や国交省側の航空局次長らと、菅義偉(よしひで)官房長官に決裁文書について説明した。日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は、この点について、「当時の官房総括審議官は現理財局長の太田氏か」と問い正した。
富山理財局次長は「(太田氏)本人から自分だという答弁はないが」と留保をつけながらも、太田氏であることを認めた。
辰巳議員が「昨年2月下旬から文書の改竄が始まったのだから、太田氏は改竄前の決裁文書を見て菅官房長官に説明しに行ったと考えられる」とたたみかけると、富山理財局次長は「私自身は太田ではないので…」と回答を濁した。
4月5日には回答が得られなかったため、野党議員らは、4月6日に再度ヒアリングを実施するので、それまでに明らかにするよう財務省に促した。