「市民は政治家を100%信頼してもファンになってもいけない。監視しなければいけない」――
2018年2月11日、都内で市民の政治学シンポジウム「民主主義の再出発のために市民の政治力を鍛える」が開かれ、昨年11月に『市民政治の育て方:新潟が吹かせたデモクラシーの風』を刊行した市民連合@新潟の共同代表であり、新潟国際情報大学の佐々木寛教授が、選挙における市民と政治家の距離感のあり方について持論を述べた。
シンポジウムには、2017年衆院選で東京1区の海江田万里氏を野党統一候補として応援した市民連合共同代表で早稲田大教授の小原隆治氏や、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の打越さく良氏も登壇し、会場参加者と活発な意見交換を行った。
佐々木氏は「政治家は選挙で生まれ変わる。選挙とは定期試験であり、普段から政治家や行政を市民側に引きつけておくことが市民の政治力である」と語り、また、若者世代が支持する政党のトップが自民党であることに着目し、「20代の若者が安倍さんに投票するメカニズムを解明しなくてはならない」と問題提起。小原教授は「大学生が特化して保守化してきたわけでなく、小中の教育の中で従順度を競争させられるからでは」と、日本の教育システムの欠点を指摘した。
最後に佐々木氏は「バラバラな大衆では変えられない。地域の行事や運動会に参加するなど、地域に根ざしたコミュニティ作りが政治につながる」と、普段からの地元での活動が「市民政治」の基礎になると強調。打越氏も、地域の行事や体育祭に顔を出し、市民と一緒に写真に収まる保守政治家の「気さくないい人アピール」が意外にも功を即していると指摘した。
20代30代の青年の親の代は50代60代で高度成長期を享受した世代だ。人と同じようにすればそこそこの暮らしが保証されると信じているのだろうか?