第6回 中部エネルギー市民会議 2012.11.18

記事公開日:2012.11.18取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉)

 2012年11月18日(日)13時30分より、名古屋学院大学名古屋キャンパスで「第6回 中部エネルギー市民会議」が行われた。中部エネルギー市民会議は、半年間、立場や考えの違う人の話し合う場を設定し、情報発信を行ってきた。今後は、中部地域のことは中部地域で決めるという方向性のたたき台を作る作業へと入っていく。

■全編動画
・1/4

・2/4
※動画データ変換のトラブルにより、0:44頃まで音声がありません。ご了承ください。

・3/4

・4/4

  • 情報提供 関口詩織氏「☆サバイバルエネルギー基本計画☆ ― 行動する若者のエネルギー源は何か? ―」
  • 意見交換・質疑応答
  • 今後の展開について

 大学生の関口詩織氏は、3.11以後、早い時期(2011年3月27日)に、名古屋で行われた反原発デモを主催し、現在は脱原発×STOP 浜岡の代表を務めている。関口氏は「福島原発事故が起きた後、自分がどう振る舞っていいかわからなくて、悩んだ。原発は自分の命、人の犠牲の上に成り立っているという感覚が強くて、原発を卒業したいという思いでいろいろ活動した。実際に、電力会社の人に申し入れをしたり、デモをしたり、地方や国の議員に会ってみたり、お互いに本音で話し合えないことが原発問題の根底にありそうだと思い、そういう場所を作ってきた。でも、ずっと何かが足りないという感覚があった」と述べた。

 「今まで自分がしていたのは、誰かがよくて誰かがよくないという競争依存型の行動だった。自分の脱原発が正義で、そうじゃない人はだめなんだ、わかっていないんだという思いがすごくあって、それをひっくり返してやろうというエネルギーが自分の中にあった。だけど、それはちょっと違うんじゃないかと気づいた。これからの新しい行動は、中部エネルギー会議のように、みんなで話し合い、誰も排除しないようにしたい。今は、ひとりひとりの命が尊い、どんな考え方でも、どんなことをしていても、その人自身の命に価値があるということを認めた上での行動ができている。競争依存型の行動では、何かがよくて何かが悪いと、ある種の価値判断や選別をすることになる。それは、私の目指す未来ではない。今の社会を受け入れ、他人も受け入れ、でも、目指したい自分の道をがんばって歩くという、共生自律型の生き方を選びたい」と続けた。

 エネルギー基本計画については、「自分の幸せは何か、どういう生活を目指しているのかがわかったら、実際にどのようなエネルギーがどれくらい必要なのか、具体的に見えてくる。現状とのギャップは、どういうことがあるのか、長期ビジョン目標を目指して、短期的にできることは何かを徹底して、そのための行動をしていく。そして、異なる価値観との摩擦に対処すること。異なる人との共生はどうしたらいいのかということは、私のテーマでもあるが、最後は受け入れていくしかないのかと思っている。この考えに基づく現在の私の目標は、村給村足型の未来を作ること。遠いところで知らない人に作ってもらった何かではなく、顔見知りの間で、リスク管理して作るものを大切にしたい。原発や食べ物などに関わる全てのエネルギーを、今の作り方でなく、もっと小さくするのが私の目標」と話した。

 会場の若い参加者からは「関口さんが話したように、自分が生きる価値観はどこにあるんだろう、と自分に向き合う人が増えることで、これから先の世の中が少しずつ変わっていくと思う。3.11をきっかけに若者がこういう場に参加して、話をして、自分に向き合うようになってきた。そういう若者も含めて、いろいろな世代の人が話し合うことで、価値観の広がりが出てくる」という意見が出た。

 また、別の参加者は「関口さんの3.11からの行動を聞いて、同じ大学生とは思えないと感じた。今の大学生が、もっとエネルギーを使って人を集めることを考えている中で、村給村足の考え方が新鮮だった。必要以上のエネルギーを欲するのは、人間だから仕方がないが、誰かの健康を害してまで、何が何でも、という感じで奪い取ろうとするのはいけない。この市民会議は、大学の原発に関する授業で得られる情報よりデータが的確で、わかりやすかった。私たちは原発のよくない情報を提示されていない、明確に見せられていないとわかった。自分からニュースを読んだり、ほかの方法で情報を得たりしていかないといけない」とコメントした。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です