2012年2月7日(金)、名城大学コンプライアンス研究センター「郷原信郎・名城大学コンプライアンス研究センター長 緊急記者会見」の模様。
(原佑介)
特集 陸山会事件
2012年2月7日(金)、名城大学コンプライアンス研究センター「郷原信郎・名城大学コンプライアンス研究センター長 緊急記者会見」の模様。
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政治資金規正法違反事件で、小沢一郎民主党元代表に対し、強制起訴議決を出した東京第5検察審査会。
その検審に対し、特捜部が提出していた捜査資料リストの中には、元秘書・石川議員を取り調べた田代検事が作成した、実際にはなかったやりとりを含んだ虚偽の報告書も含まれていた。また、証拠改ざん事件で実刑確定となっている前田恒彦元検事は、「裏金授受を否定した建設業者の事情聴取のメモ」が70通存在するが、検察審に提供されなかったとほのめかしている。
2月10日、郷原信郎弁護士はこれらの事態を受け、自身の事務所である名城大学コンプライアンス研究センターにて記者レクを行い、集まった記者らに考えを述べた。
これだけのメモがありながら検審に提出されていなかったということは、特捜部側は、検審側、指定弁護士側には出したくなかったこではないかと推測する郷原氏。
しかし、検察審査会とは、検察が不起訴処分にしたその処分の妥当性を判断する審査会である。しかも、検察審査会とは、送付された資料でしか判断できないため、
資料に偏りがあると、公正な審査など出来るはずがない。
郷原氏は、不起訴処分の根拠とされた証拠は、検審・指定弁護士に全て提出すべきであると強調する。
前田検事の言うように、4億円が、ゼネコンから小沢氏の手に渡ったとされるのであれば、ゼネコンへの取り調べメモや捜査の記録等があるはずであるが、水谷建設以外のものは、ない。よって、指定弁護士から提出が求められたのではないかという郷原市。
これだけのメモがあるという事実から、東京地検特捜部は、確認程度の取り調べではなく、ある程度突き詰め、聞き取った結果、小沢氏への裏金が流れたと想定してから捜査を進め、結果、何も出なかったのではないかと推測出来るという。今回の取り調べメモは、これだけ社会的問題として注目されている事件に重要に関わってくるものであり、意図的に検察側が証拠を除外したのであれば、いかなる証拠であったのかを開示し、検審の基礎議決にどう関わってくるのか、弁護人の求めている控訴棄却への影響も注視せねばならない。