第7回原子力規制委員会 2012.10.24

記事公開日:2012.10.24取材地: テキスト動画
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(大西雅明)

 2012年10月24日(水)、東京都港区の原子力規制庁舎で、「第7回原子力規制委員会」が行われた。今回の議題は以下の5つで、原子力災害対策指針の素案と、放射性物質の拡散シミュレーションについてを中心に、規制委員と規制庁の担当者が議論を行った。なお、この日は大島賢三委員が海外出張のため、委員会を欠席している。

■ハイライト

  • 議題
    1. 新たな原子力安全規制制度の整備について
    2. 原子力災害対策指針(素案)について
    3. 放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果について
    4. 緊急派遣訓練における委員の指摘の対応について
    5. 地震・津波関係設計基準の策定について
  • 日時 2012年10月24日(水)
  • 場所 原子力規制庁舎(東京都港区)

 はじめに、規制庁の技術基盤課長である山田氏が、議題1について説明を行った。ここでは、前回の委員会で話し合われた「新たな安全基準を策定する検討チーム」の下位に属する、「さまざまな規則・制度類を決める検討チーム」の発足が発表された。山田課長が、検討の進め方や検討事項などを説明した後、更田豊志委員が「この制度整備は、実効的な規制を進めていく上で必要不可欠なもの」と述べ、その重要性を強調した。

 次に、規制庁の原子力防災課長である金子氏が、原子力災害対策指針の素案について説明を行った。この素案は、大きく6つのパートに分かれている。第1のパートでは、原子力災害の定義と概要について、第2では、EAL(原子力施設における判断基準となる緊急時活動レベル)とOIL(運用上の介入レベルとしての環境における計測可能な判断基準)を含めた事前の災害対策について記されている。第3では、実際に事故が起きた時の具体的な指針について、第4では、緊急事態が収束した後の事後対策について、第5では、福島第一原発事故における住民の防護措置について、そして最後に、今後、原子力規制委員会で検討を行うべき課題がまとめられている。なお、この素案は来週には決定される見通しだ。

 続いて、金子課長は議題3「放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果」についての説明を行った。これは、原発立地地域とその周辺において、仮に事故があった場合、放射性物質の影響が出るエリアがどのように広がっていくのか、というシミュレーションを国がまとめたものだ。資料は全部で61ページにもなり、膨大な計算が行われたことがうかがえるが、一方で、プログラムや時間の都合により各地の地形がシミュレーションの中に反映できていないことも説明された。この点に関して、島崎邦彦委員は「このままではなく、もう少し地形等を踏まえた結果も出していただいて、さらに地元は環境に適応した避難等々を考えられるようなことにしていただきたい」と述べた。

 議題5についての説明は、規制庁の小林管理官が行った。地震・津波関係の設計基準は、専門分野が違うという理由から、シビアアクシデント対応とは別の検討チームが予定されており、小林管理官からは、検討の進め方と主な検討事項が発表された。

 最後に田中委員長が、原子力規制委員会がこれまで行ってきた活動に対して、外部有識者による意見聴取会を開く旨を発表した。今後は、まず外部有識者の人選を行う予定となっている。

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