差額の約8億円は、いったい誰が出したのだろうか――?
時価9億5600万円とされていた国有地を、財務省が「学校法人森友(もりとも)学園」(籠池泰典理事長)に、不当な破格値の1億3400万円で払い下げていた問題で、2017年2月15日、自由法曹団大阪支部と京都支部の弁護士らが、大阪府豊中市にある問題の小学校「瑞穂の國記念小學院」を現地視察し、その後記者会見を行った。
視察を行った弁護士らは記者会見で、今回の土地払い下げ問題の随所に見られる「不自然さ」を指摘し、今後も継続して調査を続けていくと表明した。
同日、日本共産党の宮本岳志議員が、この問題を国会で追及している。IWJは「極右学校法人の闇」第2弾として以下の記事にまとめているので、ぜひ、こちらもご参照いただきたい。
- 日時 2017年2月15日(水)15:00~
- 場所 大阪地裁 会見室 本館1F(大阪府大阪市)
「8億円の減額は、森友学園が持ちかけたのではないか?」――渡辺輝人弁護士が「刑事問題になりかねない」と指摘!
森友学園の理事長・籠池泰典(かごいけ・やすのり)氏は、NHKの取材に対し1億3400万円という売却価格について、「国から提示されたので妥当な金額だったと思う」などと述べたという。また園の弁護士も、「国が提示した金額を受け入れただけで、鑑定価格の14%とは知らなかった」などとして、園側から国への働きかけはなかったとしている。
しかし、記者会見にのぞんだ渡辺輝人弁護士は、「8億円の減額は、森友学園が持ちかけたのではないか?」とはっきりと述べ、不自然な箇所を次々と指摘した。
「園は、平成27年(2015年)に借地契約と売買予約の契約をした。そして、実際に売買契約されたのは平成28年(2016年)6月20日。この売買契約というのは、1年前の売買予約の契約の予約完結権を行使したもの。もともとは、時価が用意できないから8年間貸借にしてお金を貯めるとしていたものが、なぜ、1年で買い取れることになったのか?」
▲渡辺輝人弁護士(手前右)
このように指摘し、渡辺弁護士は「1年後に予約完結権を行使したときに同じ値段なわけがない。当然値引きされているだろうし、知らなかったというのは常識的に成り立つ説明なのか?」と疑問を呈した。
国が時価から差し引いた8億円を「ゴミ撤去費用」などとしていることについては、「土地を購入できない(当初借地契約にしていた)法人が、撤去に8億円も払えるわけがない。いったい、8億円は誰が出したのか?」と指摘し、「刑事問題になりかねないと認識している」と述べた。
諮問機関の議論をかいくぐって減額した可能性も! 設置認可の審議もブラックボックス!?
さらに渡辺弁護士は、森友学園の土地購入をめぐって、手続き上も重大な問題があった可能性を指摘した。
住民訴訟ができないとすれば、国会での証人喚問ですよね。