「幕張新都心は空き地ばかり」!? 維新公認で千葉1区から出馬表明の長谷川豊氏、熊谷俊人・千葉市長に噛み付き炎上! 「炎上」体質は候補者になっても変わらない? 2017.2.6

記事公開日:2017.2.7 テキスト動画
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(IWJ編集部)

 2月6日、次期衆院選に日本維新の会公認で千葉1区からの出馬を表明した元フジテレビアナウンサー(経費の領収書を書きかえるなどの不祥事で退社)の長谷川豊氏。記者会見では、昨年9月に投稿し「炎上」状態となった自らのブログについて謝罪する一方、選挙区となる千葉の「課題」について持論を展開した。

 ▲維新・馬場伸幸幹事長(左)と長谷川豊氏(右)——2月6日、千葉県庁記者クラブ

▲維新・馬場伸幸幹事長(左)と長谷川豊氏(右)——2月6日、千葉県庁記者クラブ

 長谷川氏は千葉が抱える課題として、「千葉には『もったいない』が多い」「幕張新都心なんて空き地だらけだ」と発言。そのうえで、幕張沖の人工浮島にカジノを含むIR施設を作る「幕張メガフロート構想」で得た収益を通じ、教育予算の拡充を図りたいと述べた。

千葉市長・熊谷俊人氏が長谷川氏を問いただすツイートを連投

 長谷川氏の記者会見に対し、ツイッター上で即座に疑問を投げかけたのが、現職の千葉市長である熊谷俊人(くまがい・としひと)氏である。熊谷市長は「『幕張新都心は空き地ばかり』というのはどこを指しているのでしょう?」「何を指しているのか不明です」「勘弁頂きたい」と、長谷川氏への批判を連投した。

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 熊谷市長がここで言及している「若葉住宅地区」とは、JR海浜幕張駅や県立海浜幕張公園が隣接する千葉県美浜区若葉三丁目一帯のこと。千葉県は、総面積17.5ヘクタールのこの土地に総のべ床面積10万平方メートルの高層マンション群を建設し、15年間で居住人口1万人規模の街作りを目指している。

 千葉県は2015年7月15日付けで、三井不動産レジデンシャルを代表企業とする「幕張新都心若葉住宅地区街づくりグループ」を事業者に特定。最終的には、この場所に6棟の超高層タワーマンションが林立することになるという。「幕張新都心」は、「空き地」どころか「1万人規模の街作り」に向けて、再開発プロジェクトが着々と進行しているのだ。

▲JR海浜幕張駅(出典・Wikimedia Commons)

▲JR海浜幕張駅(出典・Wikimedia Commons)

▲千葉県立海浜幕張公園(出典・Wikimedia Commons)

▲千葉県立海浜幕張公園(出典・Wikimedia Commons)

「極論を言って、ハレーションを起こす」——問われるべき長谷川氏と維新の「炎上」体質

 熊谷市長から批判を受けた長谷川氏は、ツイッター上で即座に反応。「ネットニュースなどの記事を読んでそのまま先入観を持ってしまうことは、彼ほどの権力を持ってしまうと危険な部分もある」と書き込み、熊谷市長のツイートが「断定」して「ネットニュース」が配信した誤報による「先入観」にもとづいたものであると非難した。

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 だが、長谷川氏は記者会見の場で、本当に「幕張新都心は空き地ばかりだ」と発言していないというのだろうか? 記者会見を取材したIWJでは、収録した動画を確認し、長谷川氏の発言を検証した。

■ハイライト動画(YouTube)

 千葉に長く住んでいる方は分かっている通りで、千葉というのは驚くほど素晴らしい環境です。

 私は東京のお台場で働いていましたけれども、埼玉見に行って横浜見に行って、都内各所見に行って千葉見に行って、断トツでした。子どもの教育環境も最高。住環境も最高。特に私の住んでいる美浜区は、おそらく不満を持っている方はほとんどいないと思います。

 ・・・なんですけれども、たぶんこれからの選挙戦で大きく訴えさせていただくのが、千葉には、ひとつ言うと、『もったいない』が多いんですね。成田空港まで30分じゃないですか。東京ディズニーランドまで20分じゃないですか。東京都心まで40分じゃないですか。

 東京湾の海に夕日が沈んでいって、夕日海ナメの富士山ですよ!あんな光景が見られるところ、関東ではないですよ。究極の環境だと思います。

 なんですけれども、やれ『ひょっとしたら反対票が出るかもしれない』とか、やれ『ひょっとしたらバッシングを受けるかもしれない』、やれやれやれやれ言いながらですね。幕張新都心なんて、空き地だらけですよ。しいて言うなら、勇気を持って一歩を踏み出して、挑戦する、改革するという姿勢は、千葉に少し欠けているのではないかなという気はしています。

 この動画をご覧いただければお分かりいただけるように長谷川氏は記者会見の中で「幕張新都心なんて、空き地だらけですよ」と、間違いなく発言している実際に千葉市政を担う熊谷市長とすれば、長谷川氏が「幕張新都心なんで、空き地だらけ」と発言したのは事実なのであるし、誤った認識にもとづいて「改革するという姿勢」が「欠けている」などと揶揄されれば、反論するのは当然であろう。

 熊谷市長と長谷川氏との間で展開された、今回の「論争」。熊谷市長が「今度お会いして意見交換しましょう」と「大人の対応」を見せることで収束した。

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 「政治家」として有権者に対し街頭演説を行う前から、現職の市長に対して噛み付いてみせた長谷川氏。問題となった昨年9月のブログについて、この日の会見では「極論を言ってハレーションを起こしてでも議論を起こしたいと考えた」などと説明したが、その「炎上」体質は依然として変わっていないようだ。

 しかし、言うまでもないことだが、アナウンサーはもちろん、政治家もまた「言葉」に責任を持たなければいけない仕事である。軽々しい言葉使いによって「極論」を言い、お得意の「炎上」によって注目を集めようとする人物が、本当に政治家としてふさわしいだろうか。公認を与えた日本維新の会を含め、改めてその資質が問われる必要があるだろう。

 IWJではこれまで、長谷川氏による「殺せ!」ブログの問題点について繰り返し取り上げ、その内容を検証する記事をアップしている。ぜひ、こちらもあわせてご一読いただきたい。

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