2012年10月13日(土)14時30分から、大阪市東淀川区の市民交流センターひがしよどがわにおいて、講演会「最新報告 クダンクラム原発反対闘争と原発輸出」が行われた。講師の3名は当初、クダンクラム現地を訪問予定であったが、チェンナイ空港で入国拒否となり、強制送還されてしまった。講演では、スライドや映像を使用して、インドで住民の反対運動によって、稼働が延期されているクダンクラム原発の状況について解説した。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2012年10月13日(土)14時30分から、大阪市東淀川区の市民交流センターひがしよどがわにおいて、講演会「最新報告 クダンクラム原発反対闘争と原発輸出」が行われた。講師の3名は当初、クダンクラム現地を訪問予定であったが、チェンナイ空港で入国拒否となり、強制送還されてしまった。講演では、スライドや映像を使用して、インドで住民の反対運動によって、稼働が延期されているクダンクラム原発の状況について解説した。
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クダンクラム原発とは、スマトラ沖地震によって、津波の被害を受けたインド南端のタミル・ナードゥ州ティネルベール県のクダンクラム地区にある原子力発電所である。計画当初から反対運動は行われていたものの、ウダヤ・クマル氏が中心となり、NGO団体が設立されたことによって、運動は活性化した。現在、2基が完成しているが、福島第一原子力発電所事故を受け、女性と子どもをはじめ、多くの住民が参加することによって反対運動の輪は更に広がっている。
宇野田陽子氏は、スライドを使って、9月9日に3万人もの民衆がデモに参加し、原発を包囲した時の模様を説明した。続けて、反対運動に参加するシェラマさんの「ここは、何代も前から住んできた私たちの土地と海だ。政府にあてがったもらったものじゃなく、神様から与えられた神聖なもの。絶対にここを譲れない」という発言を紹介した。
また、アメリカが、原発を売りつけて、技術料やパテント料で儲けようとしている構造を解説し、インドとの原子力協定がない日本に対しては、圧力をかけている点を問題として指摘した。宇野田氏は、原発のために提供された技術が核兵器に転用され、南アジアの核開発競争に加担して、核戦争の危険を煽ることになる可能性を危惧した。
続けて、上関原発止めよう!広島ネットワークに所属する渡田正弘氏は、「原発建設で一番苦しい目に遭うのは、ただ電気を生産するだけで、それを都市に供給する構造を持った過疎地である」と指摘した上で、「都会に住む消費者は、どこで電気が作られているか、心に留めて考えなくてはいけない。上関とクダンクラムの問題は、現地に住む市民の生活が、原発の稼働によって破壊されようとしている点で共通している。多くの方にインドの状況も知ってほしい」と呼びかけた。
中井信介氏は、原発関係の活動家だ、という理由で強制送還された時の状況を説明し、「今回、行けなかったのは残念だが、日本でもインドの状況は伝えなければいけないことだと思っている」と話した。