東北地方を、再び大規模地震が襲った。
2016年11月22日午前5時59分頃、福島県沖を震源地とする地震が発生。マグニチュード7.4、震源の深さは約30kmで、最大震度は5弱を観測した。この地震で、岩手県、宮城県、福島県、茨城県で津波が到達した。
岩上安身は発災直後、地震学の世界的権威である、武蔵野大学特任教授の島村英紀氏に取材をした。以下に、岩上安身のツイートを掲載する。
島村氏には、熊本・大分大地震が発生した直後の2016年4月25日にも、岩上安身がインタビューをしている。
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▲島村英紀氏(2016年4月25日、IWJ事務所にて撮影)
岩上安身による島村英紀氏への電話取材の模様(岩上安身のツイートを掲載)
武蔵野大学特任教授の島村英紀氏に、たった今(11月22日午前9時)、電話で直撃取材。「今回の東北沖地震は、アウターライズ(揺り返し)型の地震ですか?」という質問に、島村教授は、「そうではない。これは余震です」と断言。
「余震?最近、そんな大きな本震がありましたか?」と聞くと、「5年前の3.11東日本大震災の時の地震が本震で、今回の地震がその余震」
「5年も経っているのに、そんなことがあるんですか?」と私が驚くと、「100年は続きますよ」と島村先生。
「余震は、マグニチュードでいうと一段階くらい低いレベルくらいまでは起きるんです。3.11の時は、M9だった。ですから、M8くらいまでのクラスは余震として起こりえますよ。今回の規模のものは珍しくない。これから先も、ずっと起こりえます」
では、アウターライズが起きたらどうなるのか。
島村氏「今回、津波で原発も止まるようなことは起きていますが、たいした高さの津波ではなく、被害も小さいですよね。ですが、アウターライズが起きたら津波はもっとずっと大きくなります。警戒が必要です」
つまり、東日本の沿岸部では、3.11の記憶も生々しく、復興もままならないのに、あの3.11の余震に100年悩まされ続け、それとはまったく別に巨大な津波を伴うアウターライズ型の巨大地震が、同じ東北沖を必ず襲うと覚悟しておかなければならないのだ。
問題はそれだけではない。川内原発のある鹿児島から熊本、大分を経て、愛媛の伊方原発、四国、関西、さらに東に伸びて浜岡原発、そして東海から関東圏まで伸びる中央構造線上での地震が頻発している。これは南海トラフの予兆とは考えられないか。
島村氏「これは中央構造線に沿って、内陸型地震が起こる可能性があることを示す。南海トラフには直結しないが、仮に大きな地震が中央構造線上に起きれば、原発事故に直結しかねない。危険な兆候である」