政府は2016年9月21日、原子力関係閣僚会議で年末までに高速増殖炉もんじゅの廃炉も含めた抜本的な見直しを行い、今後の方針を決定すると発表した。その一方で核燃料サイクル政策は推進するとし、フランスと共同で高速炉の開発を進めるという発表もあった。フランスの技術実証炉「アストリッド」だけでなく、廃炉になると思われている日本の原型炉「もんじゅ」や実験炉「常陽」を引き続き利用していく可能性もゼロではなさそうである。
2016年9月27日に行われた世耕弘成経済産業大臣記者会見で、この点を質問すると、世耕大臣は「私が主催する高速炉開発会議で、これからの高速炉開発のあり方について、今まで積み重ねてきた日本の知見、進んでいる海外の知見の活用、『常陽』の活用も含めて議論していきたい。その上でもんじゅの廃炉も含めた抜本的見直しを行う」と、「もんじゅ」・「常陽」の利用について否定しなかった。
「常陽」は東京から約100kmの茨城県大洗町にあり、もんじゅ同様、過去に人為的なミスによる重大な事故を起こしている。