2012年民主党代表選出大会 2012.9.21

記事公開日:2012.9.21取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(テキストスタッフ・久保元)

 2012年9月21日(金)、民主党は東京都内のホテルニューオータニにおいて臨時党大会を開催し、党代表選の投開票を行った。代表選は任期満了に伴うもので、野田佳彦首相(55)、赤松広隆元農水相(64)、原口一博元総務相(53)、鹿野道彦前農水相(70)の4名が立候補した。

 民主党所属の衆参国会議員および次期国政選挙の公認候補内定者による直接投票に加え、地方議会議員、党員・サポーターによる郵便投票により選出。投票はポイント制を採用し、国会議員2ポイント、地方議会議員1ポイントなどの換算ルールにもとづき、獲得ポイントを決定した。

 開票の結果、野田首相が818ポイントを獲得し、再選が決定。総数1231ポイントの約3分の2を獲得する圧勝となった。他候補の獲得ポイントは、赤松元農水相123ポイント、原口元総務相154ポイント、鹿野前農水相113ポイント。

 野田首相は再選後の挨拶で、「民主党をもう一度、戦闘集団にするために頑張っていく。私には私心がない。私には笑顔がない。国民と国家を愛している。子供やお年寄りが笑顔になる国にしたい」と抱負を述べた。

 閉会後の記者会見では、人事方針について、「輿石氏と相談の上、検討していく」との方針を明言。選挙制度改革について、「衆議院の定数削減の実現が必要」と述べたほか、補正予算については、秋の臨時国会で成立させるかどうかの明言を避けた。また、原発再稼動については、「再稼動の判断は原子力規制委員会が主導的役割を果たす」との考えを示した。

【野田首相・再選後の挨拶要旨】
「去年の代表選挙では決戦投票で勝利し、その際に『ノーサイドにしよう』と党内に申し上げた。以後、チームワークのよい民主党を目指してきたが、結果的にご心配をお掛けする結果となっている。私は、党員一人一人は力を持っている民主党を、もう一度戦闘集団にするために頑張っていく。私の後ろには誰も居ない。国論を二分するような国内外の問題があるようなときにも、私自身で決断しなければならない。もはや私には私心はない。私には笑顔がない。しかし、私は国民と国家を愛している。私は子供やお年寄りが笑顔になる国にしたい。来週から国連総会に向かう。その前に、党執行部の重要な役職については私が選任させていただく」

【野田首相・記者会見要旨】
◎人事方針について
記者「幹事長ポストは?役員人事は?内閣改造は?」
野田「この一年間、輿石幹事長とペアを組み、助けていただきながら党運営にあたってきた。これからの党運営について輿石氏に相談し、自分の考えをまとめる」

記者「野田総理に投票しなかった人を含め、どうすれば党をまとめられるか?党代表選を戦った候補者の入閣は?」
野田「党内にはベテラン議員も若い議員も底力を持っている人が多いので、政権運営や党運営に何らかの形で役割を果たしていただけるよう、『適材適所』で検討する。代表選候補だった人の入閣もあり得る」

◎選挙制度改革について
記者「総理は公約で衆議院の定数削減を掲げていたが?」
野田「定数削減は実現しなければならない。特に、違憲を指摘されている一票の格差是正は急務。アイデアがあれば出していただきたい」

◎補正予算について
記者「補正予算を秋の臨時国会にて成立させる予定は?」
野田「税収の見込みや経済情勢の分析が必要なので、現段階で明確に言える状況にはない。財政や経済状況を鑑み検討する」

◎原発再稼動について
記者「再稼動の判断については、総理が行うのか?原子力規制委員会が行うのか?田中委員長は『委員会が判断するものではない』と言っているが?」
野田「独立性の強い規制委員会が19日に発足したので、原子力規制行政はそこで役割を果たしていく。先般まとめた『革新的エネルギー環境戦略』に書いてある通り、再稼動については規制委員会で安全基準をしっかりまとめ、それに基づいて判断することがルール。規制側に政治が介入することは独立性を損なう。再稼動の判断は、規制委員会が主導的役割を果たす」

記者「規制委員会の田中委員長が、再稼動に際しては原発から半径30キロ圏内の避難計画が必要と言っているが?再稼動には時間が掛かるとお考えか?」
野田「規制委員会が判断することなので、私がどうこう言うことではない」

■Ch.5(ぶら下がりブースカメラ)

  • 日時 2012年9月21日(金)
  • 場所 ホテルニューオータニ(東京都内)

【民主党議員の反応】
◎首藤信彦衆議院議員(赤松候補推薦人)
「予想通りの結果だった。解散阻止が大きなテーマのひとつだったが、自民党は谷垣さんが居なくなるので、解散は恐らく遠のいたということで、ムードは保守的になってきたと感じる。党員・サポーターの投票率が低く、配られた投票用紙に本人の名前も経歴も書かれておらず、野田さんやテレビによく出ている(顔の知られた)人が有利になったのではと残念に思う。民主党復活会議から代表を出せなかったことについては、無風で自動的に代表が再選されることを阻止し、問題点をきちんと明らかにすることが出来たことについては成果があったと考えている」

◎藤田幸久参議院議員
「これまでの実績への評価と、内外の問題に取り組んでいこうという野田首相の誠意が伝わった結果ではないかと考えている。最後に首相がおっしゃったように、子供たちを笑顔にしたいというメッセージに尽きるのではないかと思う」

◎川内博史衆議院議員(原口候補推薦人)
「(原口候補は)健闘したが、残念な結果だった。これからも(民主党に残って)頑張る」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です