核燃・だまっちゃおられん津軽の会 第13回市民講座「内部被曝について-放射線科学の歴史から紐解く-」 2012.9.10

記事公開日:2012.9.10取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉)

 2012年9月10日(月)、青森県弘前市男女共同参画センターで、「核燃・だまっちゃおられん津軽の会」による第13回市民講座が行われた。健生病院医師の遠藤順子さんによる「内部被曝について-放射線科学の歴史から紐解く-」と題する講演のほか、福島県浪江町から避難された方の体験談及び参加者による意見交換会が行われた。

■全編動画

  • 日時 2012年9月10日(月)
  • 場所 男女共同参画センター(青森県弘前市)

 遠藤さんによる講演では、最初に、福島原発事故で、原子力安全・保安院により発表された放射性物質の放出量が確認されたが、海外の機関による発表と比較して、過小である点が指摘された。また、放射線被曝由来と思われる諸疾患が福島県だけでなく関東・中部地方の子どもたちに出現していることが報告された。

 続いて、科学者間で被曝に関する認識の相違が出ている要因について説明があった。主因は二つで、一つはIAEA、ICRPが作り上げてきた放射線防護に関する科学、もう一つはIAEA、WHOがチェルノブイリ事故後に出した健康被害報告書の信憑性である。ICRP設立の経緯、ICRPによる科学データの問題点、IAEAの他機関に対する関わり方の問題点などの指摘があった。また、ECRRはICRP、IAEAに意義を唱えて設立されたこと、ICRPとECRRの被曝に関する考え方の違いについて説明があった。

 最後に、内部被曝に関する研究の説明があった。放射線に関する基礎的知識、現状のICRPによる内部被曝の評価方法の問題点、低線量放射線の人体への影響に関する説明である。また、福島原発事故を体験した私たち大人の責任において、子どもたちのためにできることをしつくさなければならないとの思いを表明した。

 質疑応答では、「セシウム137の心筋への影響」、「子どもたちを内部被曝から守るためのアドバイス」、「半減期の長さと人体に対する影響の関係性」、「ICRPの放射線荷重係数」などについて質問があり、それに答えた。

 特別発言として、福島県浪江町から青森へ避難した人から、自分自身や子どもたちの体調不良に関する報告があった。

 最後に参加者による意見交換が行われた。福島県から青森県に避難してきている人の人数や情報、弘前大にてホールボディカウンターによる内部被曝の調査が実施されるとの報告、南相馬市小高地区を訪問した人の感想、被曝に関して科学的に正しい知識を得ることが必要、などの意見交換や情報報告がされた。

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