武田邦彦先生 講演会 2012.9.9

記事公開日:2012.9.9取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・佐藤)

 2012年9月9日(日)、葛飾区亀有地区センター・ホールで、「武田邦彦先生 講演会」が行われた。この講演会では福島原発の状況というより、葛飾区の子どもたちの被曝に関してを中心に行われた。

■全編動画(約1時間46分)

  • 日時 2012年9月9日(日)
  • 場所 葛飾区亀有地区センター・ホール(東京都葛飾区)
  • 告知 武田邦彦先生 講演会 (PDF)
  • 主催 葛飾区在住有志ママ

 「政府は福島県の人に遺伝子検査を全員すると言ったが、それよりもただちに逃がしてやるほうが大切だったと思う」と、原発事故直後の政府の対応に関する感想を皮切りに、講演会がスタートした。武田先生によると、アメリカはサイレンを鳴らして定期的に出来るだけ早く非難するという訓練を行っているという。

 葛飾でお子さんを育てた場合、お子さんが病気にならないためにどうしたらいいか。まず、マスコミの言ってることはいい加減なのでおいておく。放射線をどのくらい浴びたらどうなるかはわかっていない。これは非常に重要。「何ミリシーベルト子どもが被曝するとどうなるか、これはわかっていないということを頭に入れないと、しょっちゅう不安になる」と発言した。1950年に結核予防法が出来て小学生に毎年やらせたら、大量の小児白血病が出た。広島・長崎でもがんの発生は11万人。今回の量は広島原爆の168発分。チェルノブイリは500発分であると説明した。

 葛飾区は3月21日、夜中くらいにこの上空を通った雨で汚れた。だいたい柏から文京区くらいまで汚れ、新宿の高層ビルに当たって落ちた。このときは一時間に0.5μくらい降った。雨が降っていたときは空中に放射性物質があった。そのときにマスクをしていないと、3ヶ月くらい内部被曝をする。だから「去年の3月頃にお子さんがどう過ごしたか思い出してもらいたい」と述べた。

 次に4月5月は地面に落ちたものがポイント。このころ赤ちゃんを抱っこしてくださいと盛んに言っていた。ヨウ素がなくなると、子どもは相当安全。ヨウ素が子どもの甲状腺に入ると、ベーター線を出してそれでやられる。3月末は大阪に逃げたという人は、まず大丈夫。甲状腺はやられないと断言した。それからセシウムは心臓にたまる。これはお年寄りに危ない。福島は今でもまきあがっているが、葛飾くらいはそういうことはない。今は食材を注意しなくてはいけない時期という。

 女性と子どもの場合は3年。大人は5年一区切りと言われている。人間の体は放射線で壊れた遺伝子を治す力がある。その期間が3年くらいとみれているが、正確にはわからない。被曝量はどれくらいまで安全かはわからないので決めようとなって、40年くらい前に5ミリになり、迷いながら今の1ミリになった。ただし、1ミリは本当は1ミリではない。自然放射線が1.5。その上に医療放射線が2.2。これに各実験の影響の残り、0.3。全部足すと4ミリシーベルトとなると、5ミリシーベルトの内訳を述べた。葛飾区で子どもたちはどう過ごしたらいいかというと、まずバナナを食べない。これで0.5減る。カリウムが入っているものは多く取らないという意味。出来るだけ医者のレントゲンを浴びない。そうすると普通に生活していたら3ミリシーベルト減る。子どもを地に這わせない。もしも3月4月5月余計に被曝したら、一ヶ月くらいどこかに行くのが正しい。連続でなくても、トータルで考えるようにと具体的に説明した。

 自分の子どもが必ず発病するわけではない。これは確率の問題で交通事故と同じ。出来る限り確率を減らすのは、私は全部あわせて5ミリだと言っている。原発からは1ミリ。そのかわり自然も医療用も足さなくてはいけない。今後医療用被曝を受けないようにすること、もうひとつは食料に気をつける。しいたけとマダラばっかり食べていたら猛烈に被曝する。お茶は上から降ったから今は大丈夫と具体的なアドバイスを行った。

 「ヒマワリを植えたらよいというが、あれは違う」という。根っこから10センチのところから吸うものだから、10年後くらいに植えると綺麗になる。魚は外国産はまず大丈夫。千葉、茨城、福島、宮城、青森までは危ない。精子は2カ月でだいたい更新する。1年たったら全部変わるので、ちょっと多めに浴びたという場合、1年気をつける。女の子は一生排卵するからより深刻。遺伝子損傷は時間が経って何が出てくるのか分からない。だから怖いという。

 福島の子どもたちの甲状腺検査で、36パーセントの異常は凄い。普通は2パーセント。でもこの36パーセントは全員セーフかもしれないしアウトかもしれないと、放射線の影響が未知であることを改めて述べた。

 質疑応答では生活方法や食に関してなど、具体的な質問ばかりが集中した。食に関しては、1年1ミリシーベルトは通常の食事をしていると1キロ100ベクレル。ただしそれは内部と外部を合算したもの。北海道・九州はそれでいい。葛飾は1キロ40ベクレルで、1キロ20ベクレルくらいが子どもにいい。20ベクレルは守れる数値。水は大丈夫。しいたけ、たけのこ、かんきつなどの特に危ないものを避ければ、あとはまんべんなく。万が一ひどく汚れたものにあたっても、クリア出来る。小魚のシラスなどは、三重から南、日本海は産地が確実なら大丈夫。出来るだけ骨は食べない。ただし安易にみんなが食べると、それが生ごみで出て焼却されるから煙で出る。本当は地区で魚を食べないとやるのがいい。また、三陸産わかめの質問に対しては「貝類と海藻は千葉から青森は極めて危険。10年20年は無理じゃないか」と発言した。

 子どもの生活面の質問では、砂遊びと落ち葉は一番危険。子どもたちの被曝はほとんどそこからきているのではないかと思う。砂を全部替えたら大丈夫。落ち葉は物凄く危険。3年間くらい気をつけるほうがいいという。ソフトボールは大丈夫かの問いに「私ならやめさせる。砂埃は危険」と言い切った。暮らしの面では、木造は長期的に屋根が危ない。瓦を通過して中にくる。コンクリートも通過するけど量が少ない。室内を測定して、その後室内を拭いてもう一度測定。変わらなかったら思い切って業者に掃除してもらうほうがいいと述べた。

 最後に放射性廃棄物を子どもたちの時代に残さないことが、我々大人が子どもたちのためにやっていく大事なことと締めくくった。

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