共和党・民主党を超えた大本命がクリントン候補!? ~あのジャパン・ハンドラー・アーミテージ氏の発言から透けて見えたヒラリー・クリントンの姿 2016.3.18

記事公開日:2016.3.18取材地: テキスト
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(太田美智子)

 「トランプが共和党候補になったら、クリントンを支持すると、あのアーミテージ様がおっしゃったという。それだけで、ヒラリー・クリントンがいかなる人物か瞬間に理解可能だろう」

 鋭い一撃ともいうべきご指摘。これは、日本のマスコミが報じない海外の情報を日本語で紹介しているブログ『マスコミに載らない海外記事』の、ブログ主の言葉です。

 『海外記事』さんは、2016年3月16日付で、米国の覇権主義に抗し、2013年に病死したとされているベネズエラの故ウゴ・チャベス大統領の死因に疑義を挟み、米CIAの関与があったのではないかと推測する記事を紹介しています。冒頭の言葉は、そのあとがきに書かれています。

 リチャード・アーミテージ元国務副長官の「トランプ氏よりもヒラリー」発言は、日経新聞の記者のインタビューに答えたものです。

 上記のURLでは、会員以外は一部しか読めませんが、「トランプ氏の発言や行動には軽蔑の感情しかない」という発言も報じられています。

 差別的な発言連発のトランプ氏に比べてはるかに上品で良識のありそうなクリントン氏を、党派を超えて応援するなんて、さすが旭日大綬章を受章しているアーミテージさん! と、日本人が感心することを狙っての発言でしょうか?

 インタビューの中で、「彼女は一生懸命働くし、仕事を知っている」とも評しています。ベタぼめです。一方、トランプ氏については、「どの程度の能力があるのかも定かではない」というのです。

▲リチャード・アーミテージ

 要するに、クリントン氏ならアーミテージさんたちと話が通じるけれども、トランプ氏がどんな大統領になるかはまったく分からないし、彼らの言葉に耳を傾けない危険性が高い、ということなのでしょう。

 でもおかしな話です。アーミテージさんは共和党員。共和党のブッシュ(父)政権のもと、2001年から2005年まで国務副長官をつとめています。生っ粋の共和党員が、共和党の大統領候補になろうとしているトランプ氏を非難し、「ライバル」である民主党のヒラリー・クリントン氏の方をもつ。変だと思いませんか?

 クリントン氏は第1期オバマ政権で国務長官を務め、アジア回帰政策を進めました。その後、ワシントン・ポスト紙にヘンリー・キッシンジャーの新刊『World Order(世界秩序)』の書評を書き、キッシンジャーの分析が「オバマ政権の戦略に合致する」「アジア太平洋と中東に関する分析は特に価値がある」と評価しています。

 つまり、共和党のニクソン、フォード両政権下で国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャー氏と、オバマ政権で国務長官をつとめたクリントン氏は、外交政策について考え方や見方の基本は同じだということです。それなら、アーミテージさんがクリントン氏に安心感を抱く理由がよく分かります。

 しかも先日(3月14日)、岩上安身のインタビューで、経済学者で京都大学名誉教授の本山美彦氏は、企業や団体などが上限額なしで大統領候補者の選挙運動に献金できるシステム「スーパーPAC(Political Action Committee: 政治活動委員会)」の、「一番の受益者はヒラリー」と指摘しています。

 確かに、各候補者が連邦選挙委員会に提出した報告書によると、2016年1月までに「スーパーPAC」等のPACを通じて集められた選挙資金は、クリントン氏が5750万ドルに対して、トランプ氏はわずか180万ドル、バーニー・サンダース氏にいたっては、10万ドル未満です。

 この数字から読み取れるのは、クリントン氏は大企業などが献金する‘価値’のある、言い換えれば、大統領になれば見返りが期待できる候補だということです。

 IWJは、この米大統領選に今後も注目し、報じていきます。

 本山氏のインタビュー第1弾のイントロ動画は、下記からご覧いただけます。サポート会員の方は全編ご覧いただけますので、ぜひこの機会に、ご登録ください!

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