エジプト東部シャルムエルシェイクを飛び立ったロシアの航空会社コガリムアビアの旅客機9268便が10月31日、シナイ半島の山岳地帯に墜落した。
エジプト当局によると、乗客・乗員224人全員が死亡したという。シャルムエルシェイクは紅海に面した国際的なリゾート地で、特にロシア人に人気が高く、多くの団体旅行客が訪れており、犠牲者の大半がロシア人だったという。
墜落機は午前5時51分(日本時間午後12時51分)に離陸。23分後にレーダーから消えたという。機体は真っ二つに割れており、BBCによると、エジプト政府は墜落機の飛行データを記録したブラックボックスや機体の破片を回収し、現在、原因究明を進めているという。駐エジプト日本大使館は、邦人の死傷情報はないとしている。
ISが犯行声明?「シリアの人々を毎日何十人も殺してきたことを嘆くがよい」
シナイ半島で勢力を広げているIS(イスラム国)系武装組織「ISシナイ州」は同日、次の犯行声明を発表した。AFPなどが報じた。
「カリフの兵士が、220名以上が搭乗したロシアの航空機をシナイ地域上空で撃ち落とすことに成功した。全員が死んだ。神に栄光あれ。ロシア人よ、お前とお前の同盟国はムスリムの土地と上空が危険だということを思い知れ。空爆でシリアの人々を毎日何十人も殺してきたことを嘆くがよい。お前たちが殺したように、お前たちも殺されるのだ。神のみ心であれば」
▲「ISシナイ州」が出したと思われる犯行声明
シリアのアサド大統領の要請に応え、ロシアは9月30日からシリア領内でISへ空爆を開始。ISはこれに反発し、10月13日には、インターネット上に公開した声明で「イスラム教徒の若者たちよ、どこにいてもロシアとアメリカに攻撃しろ」と世界中に攻撃を呼びかけていた。
犯行声明を出した「ISシナイ州」はシナイ半島を拠点に活動している。エジプト国内のいくつかのテロ事件で犯行声明を出してきたイスラム過激派組織「アンサール・バイト・アル・マクディス(ABM)」が前身の組織だ。
▲「ISシナイ州」
ABMはISを「新たな夜明けの出現」と称賛し、2014年11月10日、ISに忠誠を誓う声明を発表。「数十年にわたるイスラム教徒の受難の責任は独裁者、ユダヤ人の代理人やその同盟にある」と非難していた。
以降、「ISシナイ州」としてエジプトの首都・カイロを中心に数々の爆弾テロ事件を引き起こし、エジプト軍などとの衝突を繰り返している。7月にはイスラエルにロケット弾を着弾させたと犯行声明も出していた。
CNNは次のように報じ、今回の墜落事故はテロリストの犯行であるとの見方を示した。
「テロ飛行機事故の50%が離着陸時に起きる。それ以外の『巡航高度』と言われるところで事故が起きる可能性は、10%くらいだ。ロシア機は落ちる前に、すでに高度3300メートルに達しており、この『巡航高度』にいた。テロリストもしくは軍によって攻撃されたのでない限り、落ちることは考えにくい」
「ISの犯行だという証拠はどこにもない」IS犯行説に否定的な見方が相次ぐ
他方、CNNの報道とは真逆に、関係国や世界の報道機関のほとんどが「ISシナイ州」の犯行声明に懐疑的な見方を示している。
英紙ガーディアンによると、ロシアの運輸大臣マクシム・ソコロフ(Maksim Sokolov)氏は「各国がテロの可能性を報じていますが、これは正確なものとは考えられません」と、ISの可能性を否定。エジプト陸軍広報官モハメド・サミル(Mohamed Samir)氏も「彼らは何でも声明にのせることができるが、彼らがやったという証拠は現時点でどこにもない」と述べ、ISの犯行声明に懐疑的な見方を示した。
また、エルサレム・ポスト紙は、「カイロのロシア大使館によると、エジプトの政府高官が『操縦士はアリーシュでの緊急着陸を試みていた』と伝えている」と報じた。
スプートニクは、「墜落したロシアの旅客便の乗員はこの一週間のうちに複数回、エンジンのトラブルを訴えていた」「当該機についてはこの一週間のうちに複数回、エンジンが正常に始動しない問題について、テクニカル・サービスが申請されていた」と報じている。
さらに、「同じ情報元によれば、墜落機のパイロットは離陸後、故障を理由にルートの変更およびカイロ空港への着陸を申請していた。しかしそののち、通信が途絶した」とも伝えている。
タイムズ・オブ・イスラエル紙「シナイ北部の勢力は商用機も戦闘機を撃墜させた過去はない」
▲タイムズ・オブ・イスラエル紙「シナイ北部の勢力は商用機も戦闘機を撃墜させた過去はない」
タイムズ・オブ・イスラエル紙は、「シナイ北部の勢力は商用機も戦闘機を撃墜させた過去はない」と指摘しつつも、「彼らは低空飛行の航空機やヘリコプターを射程におさめるロシア製の対空バズーカ砲を入手したと言われている。昨年の1月、武装勢力はエジプトのヘリコプターを撃墜したと発表した。エジプト当局はヘリコプターの墜落を認めた」と書いている。
NHKによると、墜落したロシアの旅客機は、離陸の約21分後には高度1万1000メートルに達したが、離陸から22分たった午後1時13分には速度が時速およそ750キロから170キロにまで急激に落ち、高度もおよそ8500メートルに下がった。そして航跡は途絶えた。
「ISシナイ州」が保持しているとされる「対空バズーカ砲」が、高度1万メートルの旅客機に到達するとは考えにくい。エルサレム・ポストは2015年9月3日付で、「ISシナイ州」が所持する対空ミサイルをロシア製の「SA-18イグラ」であると推定している。
ロイター通信は、「ロシアのインターファックス通信によると、ロシアの航空規制局は、コガリムアビアが航空安全規制に反するようなことを行っていないかを調査すると報じた」とし、「ロシア国営の『ロシア24』は、政府がコガリムアビアのモスクワオフィスを調査し、文書を押収したと報じた」と伝えた。
たまたまエンジントラブルで墜落したロシア機を、自らの「戦果」としてプロパガンダに利用したのだとしたら、ISのバズーカ砲よりそのあざとい宣伝力に恐れ入ったほうがいいかもしれない。いくらなんでも1万メートルの高度を飛ぶ飛行機に、バズーカ砲の砲撃は当たらないだろう。
もしかしたら、エンジントラブルで急降下してきた飛行機に最後のとどめを刺した、ということなのかもしれない。まだ速報の段階で、真相は明らかではない。これ以上、想像の翼を広げるのは控えることにしよう。
しかし、確実に言えることは、ISは「ロシア憎し」という感情を、今回、改めて露わにした、といことだ。ロシアがシリア内のISの拠点に空爆を開始したのは、1ヶ月前。この1ヶ月の間に1623ヶ所のISの拠点を破壊したと、ロシア国防省機動総局のアンドレイ・カルタポロフ大将が発表したのは10月30日のことだった。
まぁ、プロパガンダはどんな組織でもしますからね。そんな事に一々触発されていたんじゃ見が持たないよな、、。
墜落した場所は、イスラエルやサウジアラビアから極めて近い場所に落ちており、同時にエジプト、ヨルダン、トルコはアメリカやEU、サウジアラビアやイスラエルと仲が良い。
更に言うとイスラエル、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、トルコはISISの支援国であり、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の創設メンバー国である事は事実です。
更にAIIBとTPPは米財界(ビル・ゲイツやゴールドマン・サックス)が仕掛けたものであり、どちらもラチェットやISDS(投資家保護条例)が含まれております。
AIIBの参加国は他にもオーストラリア、ニュージーランド、英国、シンガポール、ポーランド、ドイツ、韓国などアメリカの支配下の国が多い一方で、北朝鮮、ベネズエラ、ギリシャ、ベラルーシ、イラク、シリア、ベネズエラ、キューバ、エクアドル、チェコ、スロバキアなどは参加しておりません。
TPPとAIIB、Tisa、RCEPはグローバル資本に売り渡すだけの売国協定に過ぎません。
アメリカが脅威になるのは日本がBRICS開発銀行(新開発銀行)に参加した時です。
なので日本はAIIBではなくBRICS開発銀行(新開発銀行)に参加した方が得策だと思います。
ロシアもBRICS開発銀行の主導権を持ち、更にロシアとイランで新銀行を創設して日本や中国、北朝鮮を創設メンバー国として入れさせるべきであります。(米国、EU加盟国は米ドルとユーロ排除が前提なので参加不可能にする。)