「安保法制改変の動きと、沖縄・辺野古への米軍の新基地建設計画は同根だ」──。

　名護市辺野古の米軍新基地計画で、中断していた辺野古沖のボーリング調査の再開が目前に迫る2015年8月31日、東京・東池袋で、複数の市民団体の共催による「沖縄県民の民意を無視するな！8.31集会」が開かれ、主催者はこのように力説した。

　この集会の狙いはずばり、新基建設阻止での沖縄と本土の連帯強化。前日の8月30日に行われた国会周辺デモの民意のうねりが沖縄の基地問題にも波及すれば、辺野古の新基地計画の白紙化の可能がぐんと高まる、というのが沖縄側の見方である。

　沖縄から駆けつけた議員らによる現状報告に先立ち、市民団体の代表者が客席に向かって、2015年9月12日に予定されている、辺野古新基地反対がテーマの「国会包囲デモ」への参加を強く求めた。

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• 沖縄からの訴え 安次富浩氏、仲村未央氏
• 特別アピール「埋立土砂の搬入を許さない取組み」 湯浅一郎氏

• 日時 2015年8月31日（月） 18：30〜
• 場所 豊島公会堂（東京都豊島区）
• 主催 フォーラム平和・人権・環境ほか

9月12日は国会前に「3万人」の動員狙う

　冒頭、主催者代表の平和フォーラム共同代表、福山真劫氏は、「安倍政権による憲法破壊が止まらない。安保法制改変の動きと、沖縄・辺野古への米軍の新基地建設計画は同根だ」と力を込め、前日（30日）、国会議事堂の周辺に12万人（主催者発表）もの市民を集めた、安保法案に反対する市民デモのエネルギーを、沖縄の米軍基地問題にも波及させることが肝要、と訴えた。

　福山氏は、9月12日に、同じく国会周辺で、今度は「辺野古・新基地反対」をテーマにした市民デモを繰り広げる予定だとアピール。「安倍政権が新基地建設を撤回しない理由のひとつに、沖縄と本土の連帯の弱さがある」との認識から、「連帯強化の狼煙」を9月12日のデモで上げる意向を示し、このように続けた。

　「基地建設反対で、1月25日には約7000人（主催者発表）の市民が、5月14日には約1万5000人（同）の市民が、それぞれ国会を包囲している。12日の『包囲デモ』では、前回の2倍の約3万人の動員を目指す」

　続いて、反基地で有名な翁長雄二沖縄県知事を支える、県議会議員の仲村未央氏（社民）がマイクに向かい、作家の百田尚樹氏の、普天間基地問題をめぐる発言を批判した。

　「くだんの百田発言は、悪口雑言でしかない。沖縄県民が歩んできた歴史を冒涜している」と怒りをにじませた仲村氏は、百田氏が「普天間飛行場はもともと田んぼで、何もなかった」とした場所には、戦前から9000人超の人たちが暮らしていた、と力説。「沖縄戦の終盤、住民が収容所に入れられている間に、米軍が飛行場の建設を始めた。そのために、収容所から戻された住民は、その周辺に住むしかなかったのだ」と言い重ねた。

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「土砂規制条例」の成立はプラス要因

　仲村氏は、仲井真弘多前知事による辺野古埋め立ての承認を、こう指弾する。

　「地元の稲嶺進名護市長は、埋め立てに反対した。それなのに、前知事は認めた。埋め立て法上、このような『ねじれ』はかつてなかった。しかも前知事は、『国は公益性を帯びた団体だから、悪いことはしない』と承認の理由を表明した。（こうした国家・行政性善説は）明治時代を想起させる、きわめて古い解釈だ」