2013年8月8日(木)19時から、愛媛県松山市の松山市総合コミュニティセンターで、講演会「『オスプレイ』が飛ぶ愛媛県、そして瀬戸内海を考える」が行われた。講演の中では、オスプレイの構造上の欠陥や配備の背景、低空飛行訓練の実態や北東アジアの軍事情勢などが解説された。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2013年8月8日(木)19時から、愛媛県松山市の松山市総合コミュニティセンターで、講演会「『オスプレイ』が飛ぶ愛媛県、そして瀬戸内海を考える」が行われた。講演の中では、オスプレイの構造上の欠陥や配備の背景、低空飛行訓練の実態や北東アジアの軍事情勢などが解説された。
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はじめに、「オスプレイの沖縄配備を撤回させるためには、全国規模での反対世論の形成が必要である」とする湯浅一郎氏は、軍事力が平和を担保するという思想が、時代遅れである点を指摘し、「3.11以後、核文明の脆弱性がより明確になっていく中で、それをどのように克服していくかが、今後の課題である」とした。
続いて、北東アジアの現状に触れる中で、ベルリンの壁崩壊後、今なお朝鮮半島は分断されたまま、北と南の緊張関係が続いている背景を解説した。その上で、そこに日米韓が加わることにより、相互不信が高まり、軍拡競争が激化し、さらなる悪循環が生まれる構造を問題視。「多国間の対話と協調、外交で問題を解決していくべき。軍事的対立によって平和は訪れない」と主張した。
次に、機体の構造に最初から問題を抱えるオスプレイの危険性を解説し、安全性の検証もないまま、オスプレイの配備が進められる日本の現状を語った。その上で、住民と自治体の意志が尊重され、市民の声がオスプレイによる訓練を止めさせた、ハワイやニューメキシコ州での事例を挙げ、「日本では法的拘束力もなく、政府が許可すれば配備されてしまう。民主主義を無視したプロセスである」とし、米軍機に特例法を作り、低空飛行訓練を許可する日本の対応を問題視した。また、低空飛行訓練にあたり、沖縄から東北の間に存在する6本の飛行ルートを説明し、低空飛行訓練の中で、変電所や、水力発電所を攻撃目標とした爆撃訓練が行われていた実態を明かした。
最後に、湯浅氏は「オスプレイも、原発も、市民の生活や子孫の将来を念頭に置きながら、事実を調べ、勉強すれば、これらの問題の深刻さは理解できると思う。行政に働きかけて、国の政策を変えるところまでいかないと、状況は一向に変わらない。北東アジアの対立構造についても、対話と協調を重視する世論形成が必要である」と語った。