2012年7月29日(日)、京都府京都市コープイン京都で、「オスプレイ配備を許さない!7・29 京都講演集会 ~沖縄・岩国のたたかいへの連帯を~」が行われた。集会のメインとなったのは、京都沖縄県人会会長の大湾宗則氏の講演。大湾氏は、沖縄闘争の歴史や、県民の行動の変化のほか、オスプレイについて、単にその危険性だけでなく、アメリカが配備を推し進める理由も含めて幅広く解説した。集会は、主催者であるアジア共同行動・京都の滝川信夫氏の挨拶に始まり、7月23日のオスプレイの岩国基地への陸揚げ・搬入に反対する現地抗議行動について、ビデオによる報告が行われた。
- 日時 2012年7月29日(日)
- 場所 京都府京都市コープイン京都(京都府京都市)
大湾氏は講演の冒頭で、戦後67年かかってようやく沖縄に自治活動が根づいてきたと語り、その根拠として、6月17日に宜野湾市で5200人を集めた市民大会をはじめ、すでに20以上の市町村の実行委員会が県民大会に向けて独自の集会を準備していることを挙げた。
続いて、1879年の廃藩置県から現在に至るまでの沖縄闘争の歴史を、沖縄人の立場から振り返った。ドイツがNATO軍と結んだ地位協定の改定闘争で、相互平等関係を築くに至るまでの経緯を述べた上で、沖縄においては日米安保条約を締結した日本政府に対する監視の目や闘いが弱かった、と反省した。
大湾氏はオスプレイについて、以下の2点の特長から「現代の戦争の花形」であると述べた。(1)固定翼モードにより、ヘリコプターよりも推進力があるためゲリラ戦に向く。(2)ヘリモードにより、山岳地帯から都市部など、滑走路がないところでも止まることができる。また、「アメリカはこれを世界中に売り歩きたいがために、事故を隠蔽したり、アジアの国々の緊張を高めて有志連合を強化したりしようとしている」と指摘した。オスプレイの機種構造上の危険としては、「オートローテーションがついていない」「ヘリモードの時に、揚力限界が起こる」などの点を挙げ、訓練および実戦上の危険としては、「全体飛行や低空飛行などによる事故率の増加」を挙げた。さらに、「一番危険なのは国家の隠蔽体質である」と指摘。過去に43機のオスプレイが行方不明となっていることを、米会計監査院が海兵隊に問い合わせた事件を紹介した。
最後に、「国家はよく国益を基準にものを考えるというが、それを私たち国民のことだと考えるのは誤りである」と述べた。「国家というのは無所有。あるのは権益。権益をオブラートで包んだら国益になる」と続け、この問題は、オスプレイ問題だけではなく、企業の海外移転や原発問題にも共通するという見方を示して、講演を締めくくった。
大湾氏への質疑応答のあと、アジア共同行動・京都の事務局長・山本純氏が「オスプレイはアメリカの軍事戦略にとって重要な位置づけだ。それが日本に配備できないことになれば、米軍の日本駐留の意味も大きく後退する。私たちの闘いは、日米安保体制の根幹を揺るがす可能性を持っている。ここから米軍撤退のうねりを作ることができればと思う」と話した。続いて、「沖縄・辺野古への新基地建設に反対し普天間基地の撤去を求める京都行動」および「反戦・反貧困・反差別共同行動」の2団体からのアピールが行われた。