2012年1月17日(火)、「平野博文文部科学大臣 定例会見」が行われた。SPEEDIの情報が国民より先に米軍に提供されていたとされる問題について、平野大臣は「トモダチ作戦の中で、SPEEDIで測定した放射線量の情報について、外務省を通じて米軍側から依頼があり、3月14日に情報を提供した」と明らかにした。提供した具体的な内容については把握しておらず、次回の会見で明らかにするということだ。
平野大臣はまず、1月14日と15日に行われた大学入試センター試験でのトラブル*に触れ、入試センター当局に対し、再発防止と原因究明の調査を指示するとした。
*特にトラブルが多発したのは、今回から科目選択の幅が広がった地理歴史と公民。全国40カ所以上の会場で配布ミスや回収遅れなどが発生し、3,000人以上に影響があった。
また、日の丸・君が代訴訟で、16日に最高裁が「減給以上の処分は慎重な考慮が必要」との判断を下したことについては、「重く受け止めなければならず、その上に立って適切に処理をしてほしい」と述べた。
次に、SPEEDIの情報が、文科省から外務省を通じて米軍に提供されていたことが、原発事故調査委員会の参考人質疑によって明らかになった問題について、岩上安身が「情報提供が米軍と文科省のどちらから持ちかけられたのか」と質問した。平野大臣は「外務省から、トモダチ作戦を含めた米軍の復旧支援活動に、放射性物質拡散が把握できる情報が必要という理由で要請があった」と述べた。さらに岩上は、他国の軍隊に情報が提供されていたにもかかわらず、自国民には提供されなかったことを問題視し、「日本の主権者は誰なのか」と尋ねた。
平野大臣は「もちろん、主権者は国民」と答え、「国民にSPEEDIの情報が提供されなかったことは真摯に受け止める」と述べた。政府および関係各省、米軍へ提供された内容については現時点で把握しておらず、次の会見で答えるとした。