【岩上安身のツイ録】民主主義は、資本の強欲な増殖の運動と、権力の横暴な拡大に対する反撃として生起する~「饗宴Ⅴ SYMPOSION」へのお誘い 2014.12.17

記事公開日:2014.12.17 テキスト
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(岩上安身)

※12月16日(火)の岩上安身の連投を再掲します。

 週末に、週明けの株価は下がるだろうとつぶやいたが、その通りの展開に。東証は、よりつきから大幅な売りが出て、日経平均は1万7000円を一ヶ月ぶりに割り込んだ。つまり、10月31日に日銀黒田バズーカがぶっ放した2度目の異次元緩和のドーピング効果が、早くも息切れして来た、ということた。

 もう一つは、昨夜も書いたが原油価格の下落である。エネルギー資源を輸入に頼っている日本とすれば、これはプラスに働く、と考えるのが普通で、実際、原油価格の下落は円安ショックを和らげてはいるが、しかしこの下落は巨大な破局を招きかねない。

 アベノミクスの中核は第一の矢の異次元緩和である。というか、それだけである。この異次元緩和の元祖はベン・バーナンキFRB前議長。2008年のリーマンショックのあと、恐慌寸前に陥った米経済を救うべく、異次元レベルの金融緩和を行い、米国と世界を恐慌から救った、と言われた。

 じゃぶじゃぶのマネーの向かった先が格付けが低く、リスクが高いが、その分リターンの高いジャンク債だった。ジャンク債市場はにぎわった。そしてこのにぎわう市場でジャンク債を発行して資金を調達したのが、米国内中心に、シェールガス・オイルを採掘し産出するエネルギー企業だった。

 シェールガス革命の虚実については、IWJでこれまでも取り上げてきた通り、ある種の幻想であり、バブルである。産出し続けるコストが高いため、ガスの値段が安いと採算があわない。ところが、自分たちが大量供給したため、ガス価格が下がり、エネルギー企業は、採算が取れなくなった。

 エネルギー企業は、商売にならないシェールガスから、シェールオイルに切り替えた。その挙句、世界的に原油価格を下げてしまい、自分で自分の首を絞める状態に。しかし減産すれば、たちまち経営が行き詰まる。掘り続けなければすぐ倒れる自転車操業である。

 倒れれば、リーマンショック後のバーナンキ流異次元緩和によって膨らんだジャンク債がデフォルトとなる。そうなれば、リーマンショック再びの悪夢が蘇る。世界同時不況に突入、日本も例外ではないだろう。

 原油価格の下落が米国の株価を押し下げ、それが日本の株価に影響を与えているならば、これは要注意どころの話ではない。

 大丈夫ですか?アベノミクスの異次元緩和に乗っかって、ドルを買い、株や投資信託を買ってきた皆さん。原油価格下落の地政学的な意味を理解してますか? シェールブームがバブルと分かっていますか? ジャンク債のリスクを理解してますか?

 自公を信認したことで、日本はアベノミクスを信認してしまったことになり、国丸ごと、バーナンキの失敗した金融政策である異次元緩和の二番煎じを続けることになるらしい。まだまだ勘違いした人間が、このゲームに乗り続けることだろうが、手仕舞いを始めている者もいることをお忘れなく。

 こんな話はしかし、もうマスコミでは無理。もともと無理なのに、安倍政権の強圧的な恫喝で、すっかり萎縮してしまった。メディアが自由に報じたり、物を言えなくなるとき、損失は個人に、企業に、そして国にもたらされる。官製報道ばかり見て、読んで、信じていていいんですか?

 IWJは、そんな官製報道とは一線画し続けますよ、集団自殺なんてまっぴら御免ですから。在野の批判勢力だけでなく、この国の政府の中にも、こんなアホノミクスをやっていたら、危ないと気づいている人たちもいる。12.14は、終わりではない。反撃の始まりです。

 今は皆さん、選挙疲れも虚脱感もそれぞれにあるでしょうが、何もこれで勝負あった、というわけではない。政府と大手マスコミ、足並み揃えて自民党だけで300議席超、単独で3分の2も、などとアナウンスしておいて、蓋を開けたら議席数を減らしていたのですから世話はない。

 今週の日曜日、12月21日の「饗宴Ⅴ」は、選挙で落胆した人も、いつまでも沈んでばかりはいられないと気を取り直す頃でしょうから、ぜひ、ご参加ください。視野を時間的にも、空間的にも、大きく広げ直して、考える機会にします。何のために考える? もちろん、反撃のためです。

 ぼやいても、愚痴っても、逃避しても、何もなりません。反撃するんですよ、反撃。民主主義の本質は反撃です。資本の強欲な増殖の運動と、権力の横暴な拡大は、常に先行する。民主主義は、その強欲と横暴に対する反撃として生起するんです。いいかげんにしろよ、なめんなよ、と。

 ということで、「明るいレジスタンス」がわたくしのモットーですから、21日の「饗宴Ⅴ」は、楽観的で持続的な反撃のための狼煙、笑いながらの咆哮、ゴールラインぎりぎりからのターンオーバーのための集いとさせていただきます。元気になりたい人はぜひ、お集まりください。

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『饗宴V』 SYMPOSION
12月21日(日)11:30~
at 品川インターシティーホール

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