2012年6月9日(土)14時より、大阪市天王寺区にある大阪国際交流センターで、「市民と政府の意見交換会〜TPPを考えよう〜大阪」が行われた。
(IWJテキストスタッフ・関根)
2012年6月9日(土)14時より、大阪市天王寺区にある大阪国際交流センターで、「市民と政府の意見交換会〜TPPを考えよう〜大阪」が行われた。
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冒頭、出席者の紹介で始まった。コーディネーター神田氏が、会の進行などオリエンテーションを説明。市民側パネリストの田淵氏から、所見を述べた。TPP参加反対と表明し「TPPは、最初、P4の自由貿易協定が、2008年、金融サービスを含んだところで、アメリカが参加し、性格が変わった。アメリカの目的は投資・金融、知的財産権。他の9カ国は、アメリカと軍事的同盟国でもあり、中国をにらんだ軍事的、戦略的包囲網の意味もある。アメリカの国際協定は、アメリカの国内法を基準にする。もっとも危険なのはISDS条項だ」など、TPPの危険性を説明した。
次に、食と安全について池上氏が、スピーチした。「TPPの内容、2国間で交渉されていることなど、よくわからない。協定内容そのもの、2国間、拡大交渉などの目的を知りたい。国内対策は、充分かどうか、も大事だ。米通商代表は、TPPによって、いままで貿易の障壁となっていた、ルール、制度、慣行を取り払い、シームレスにできると強調している。遺伝子組み換え種子、食品の表示規制、GMO種子や肥料、農薬などへの評価も変えられてしまう」などと農業、食の安全性について説明した。続けて、高山氏が、TPPが日本の医療におよぼす影響を、話した。「患者家計の負担増について。医療機器、薬価の高騰と医療費への影響。営利目的の病院の是非。国民皆保険制度の崩壊、混合診療の導入による国民皆保険の空洞化の懸念」などを報告した。
政府側のスピーチに移った。最初は、石井内閣審議官から発言した。「現状、交渉について情報収集している段階。対米では、車、保険、牛肉については、前払いが要求されるのではないのか、との危惧もあるが、それはない。BSEに関しては、TPPとは関係しない。秘密交渉については、外交などは原則非公開。WTOなどでも、交渉中の条文は事前公開しない、また、関税、輸入検疫の基準と評価、貿易の技術的障害(表示の仕方など)、ISDS条項については、すべてに適用されない、韓国にも確認したが、留保という対策がある。医療分野において、米国は営利目的の病院を要求はしていない」などと報告した。それに対し、池上氏は、所見を述べ、質問がでて、政府側が、補足説明をした。
それに続いて、田淵氏が「外交交渉は、秘密交渉でいいが、600社の企業には交渉内容が、配られている。TPPは、ACTAを上回る知的財産権の協定だ。TPPに対する国民の不信感の根本は、秘密裏に行われていること。もし政府は、その内容をつかんでたら公表すべき、つかんでいないのならプロではない」と意見を述べた。それに対して、石井氏が「その600社の情報は、ワイゼン議員がソースだと思うが、信憑性は当人が否定している」。また、平泉氏は「非参加国は、内容については一切、見ることも知ることもできない、と決まってしまっている」などと答えた。次に、高山氏が医薬品価格の上昇について、営利企業の参入についてのカトラー通商代表補佐官の発言や、ISDS条項などについて、質問をあげた。
休憩後、パネラーと傍聴者たちとの意見交換に移った。冒頭、TPP参加によるメリットを訊ねた。「まず、関税がなくなるため、価格が下がって実質所得が上がる。日本の企業が、中間層が、これから急激に増大するアジア諸国のなかに、飛び込んでいって安心して、仕事を展開できる」などと内閣官房石井審議官が、答えた。次の質問で「経済システムは、多用であってもいいのではないか、なぜ、尊重していかないのか。米韓FTAについて評価しているが、政府はどう考えているのか、などと質問が寄せられた。それに対して、石井氏は、まず、地産地消をやろうとしないのは、国民側の問題。米韓FTAは、政府としては、評価はしない、するべきではない」などと答えた。また、情報の扱い方と、公開について。また条約の成り立つまでの流れ、労働者の雇用への影響、ラチェット条項など質疑応答が行われた。