「安倍在特会政権」打倒の革命は起きるか? ベストセラー『永続敗戦論』の著者・白井聡氏ら講演 2014.10.24

記事公開日:2014.10.27 テキスト動画
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(IWJ・藤澤要)

 「安倍在特会政権」――。

 「在特会的なものに代表される歴史観や社会観と、安倍さんの根本の政治スタンスは同一のものであります」。政治学者でベストセラー『永続敗戦論』(2013.3 太田出版)の著者・白井聡氏の言葉だ。

 敗戦を否認したいがために、軍事力行使が可能な国を求める安倍総理。同じように敗戦を否認しようとして、朝鮮人差別に走る在特会。白井氏は、「敗戦の否認」をめぐって、安倍総理と在特会的なものが同根にあると喝破する。

 10月24日(金)、徹底討論シリーズの第二弾「憲法改正を許さない!」が東京神田の学士会館で開催。白井氏のほか、政治評論家の森田実氏、前衆議院議員の辻恵氏が講演した。

■ハイライト

  • 講師 白井聡氏(政治学者、『永続敗戦論』著者)/森田実氏(政治評論家)/辻恵氏(前衆議院議員)
  • 日時 2014年10月24日(金)18:00~
  • 場所 学士会館(東京都・神田錦町)

安倍総理は「観念的に敗戦を否定」する

 「今の安倍さんの政治スタンスや歴史認識は、私が永続敗戦と呼ぶところの、歴史認識にたったレジームのあり方が、純化したもの」。白井氏はこう話す。

 「永続敗戦論」とはなにか。白井氏は「敗戦の否認」だと説明。「間違った戦争をしてしまったことに対する責任を曖昧にした」。その地点から、日本の戦後は出発したと白井氏はみる。

 高度経済成長期に物質的な生活という意味で、「負けを取り戻すことができた」。同時に生まれるのが「ほんとうは俺たちは負けていない」という観念。これが歴史観として定着してしまった、と白井氏は指摘する。

 「負けていない」と言い張っても、ポツダム宣言受諾をなかったことにし、ふたたび連合国に戦争をしかけ、勝利を目指すようなことはできない。安倍総理の「侵略戦争はなかった」といった言葉からうかがわれるのは、「観念的に敗戦を否定してみせる」なのだ。

在特会:「大日本帝国の局所的な復活」

 一方、在特会的なものはというと、敗戦の否認を「実践」することで、「大日本帝国の局所的な復活」としてあらわれる。

大日本帝国では、植民地出身者を公然と差別していい「二級市民」として扱っていた。しかし、敗戦で大日本帝国は消滅。「敗戦」という契機により、「二級市民」が「基本的人権において対等な存在」へ。

 在特会的なものは、これを認めようとない。「あの戦争に負けたことを実践的に否定してみせている」。「敗戦」を否定することで、対等な存在もいないことにしようとするわけだ。

 これまで、政治家、官僚組織、警察などからなる政治機構は、在特会のような極右的市民運動を「許容」していると見ていた白井氏。しかし、状況はさらに深刻だとする。「許容しているというより、一体化している」と述べた。

「負けを取り戻す」ために「戦後レジームからの脱却」を目指す安倍総理

 集団低自衛権行使を容認する閣議決定をし、実質的に憲法を「改悪」した安倍政権。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍総理を動かすものは何か。

 白井氏が見るところ、「動機は単純」だ。安倍総理の考えは、「もう一度軍事力を行使できる国家となったならば、あの負けを取り戻すことができるじゃないか」というもの。敗北したことにより、戦後日本は軍事力の行使に厳しい制約を課されることになった。この制約を取り払うことこそが、安倍総理の言う「戦後レジームからの脱却」なのだという。

 だが、この「脱却」は明らかに倒錯したものだと白井氏は指摘する。「集団的自衛権の行使で自立性を取り戻せるのか」。これまでは、金や基地の提供でなんとか踏みとどまってきた。集団的自衛権を行使するとなれば、米国の都合により、「血の提供」にまで踏み込まざるをえない。安倍総理がいくら軍事力の行使により負けを取り戻そうとしても、それは「隷属」への道にほかならない。

ポツダム宣言を知らない子供たち

 ポツダム宣言の受諾により日本は無条件降伏。「敗戦の否認」に突き進む安倍総理や在特会的なものが、本音ではなにより否定したいと感じている出来事だろう。

 しかし戦争を体験した世代は、「敗戦の否認」を受け入れない。1932年生まれの森田実氏は、「大日本帝国が間違いばっかりやってきて、唯一正しいことをしたのは、ポツダム宣言の受け入れをやって、日本人の命を救ったことなんですよ」と話す。

 ポツダム宣言を受諾せず、戦争を続けていればどうなったか。沖縄の悲劇が日本全土に広がったと森田氏は述べる。「われわれ、その時代を生きた人間からすれば、それだけの命とひきかえに受け入れた。だから、ポツダム宣言を守る責任は日本にあるんです」。

「革命」は起こるのか

 白井氏は、「民主主義を取り戻すというよりも、作り出すほかないだろう」と語る。「戦後民主主義なるものが実は存在しなかったというのは苦い事実ですが、認めざるをえない」。

「作り出す」とは何か。白井氏は、「ある種の革命」とする。

(…会員ページにつづく)

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「「安倍在特会政権」打倒の革命は起きるか? ベストセラー『永続敗戦論』の著者・白井聡氏ら講演」への2件のフィードバック

  1. 有村順子 より:

    [安倍在特会政権」 この名前が現在の状況をずばり言い当てていてすごい。

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「安倍在特会政権」打倒の革命は起きるか? ベストセラー『永続敗戦論』の著者・白井聡氏ら講演 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/189415 … @iwakamiyasumi
    白井氏「民主主義を取り戻すというよりも、作り出すほかないだろう。戦後民主主義なるものが実は存在しなかったというのは苦い事実ですが、認めざるをえない」
    https://twitter.com/55kurosuke/status/988895638803787776

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