国内で確認された感染者は17都道府県で計116人(9月13日付)となったデング熱に対する病気の理解を促すため、国立国際医療研究センターが9月11日、メディアセミナーを開催した。同センターの忽那医師によると、予防としてはDEET(ジエチルトルアミド)が含有された虫よけスプレーで防蚊対策することが有効だという。
また忽那医師は、基本的には媒介した蚊は越冬しないと考えられており、来夏の始めからデング熱が流行しているのは想定しにくいとの見解を示した。
(IWJ・松井信篤)
国内で確認された感染者は17都道府県で計116人(9月13日付)となったデング熱に対する病気の理解を促すため、国立国際医療研究センターが9月11日、メディアセミナーを開催した。同センターの忽那医師によると、予防としてはDEET(ジエチルトルアミド)が含有された虫よけスプレーで防蚊対策することが有効だという。
また忽那医師は、基本的には媒介した蚊は越冬しないと考えられており、来夏の始めからデング熱が流行しているのは想定しにくいとの見解を示した。
■ハイライト
セミナーでは国際感染症センターの忽那賢志医師から「個人的な見解」としてデング熱についての基本的な情報が伝えられた。
日中に活動するヤブカに咬まれることによって感染するデング熱は主に東南アジア、南アジア、アフリカ、中南米で流行している。日本では海外から帰国後の輸入例が年間100例前後報告されており、近年増加傾向だという。
具体的な症状としては蚊に刺された3~7日後に発症し、発熱、頭痛、関節痛、下痢などの症状が5~7日間続いた後、熱が下がる頃に皮疹が出現するのが特徴である。発熱が始まった段階で血液中にウィルス結晶ができ、その時点で蚊に刺されると刺した蚊はウィルスを増幅して保持するという。発熱から5日目ぐらいまでがヒトから蚊に伝播しやすい時期である。また、デング熱による皮疹には特徴があり、皮膚が赤くなり、その中に白い斑点がでるという。血液に関しては白血球・血小板の減少が特徴として見られるが、初診時には目立たないことがあるようだ。
近年、デング熱が医療従事者に認識され始めたという要因はあるとしながらも、年々報告数は年々増加傾向にある。デング熱の治療に関しては有効な薬剤はなく、点滴で血液中の水分を補うなど、症状に合わせて対処療法を施すしかない。
また、解熱する前後の時期に重症化する危険があるため、慎重に経過観察が必要になる。しかし、デング熱の大半は重症化せずに治癒するという。予防としてはDEET(ジエチルトルアミド)が含有された虫よけスプレーで防蚊対策することだという。
基本的には媒介した蚊は越冬しないと考えられているので、来夏の始めからデング熱が流行しているのは想定しにくいと忽那医師は述べた。