地下水バイパス、トリチウム濃度が過去最高値に達するも水の汲み上げは継続~東電定例会見 2014.6.18

記事公開日:2014.6.18取材地: テキスト動画
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 2014年6月18日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水バイパス揚水井No.12でトリチウム濃度が上昇し、6月16日採水分で過去最高2000Bq/Lに達したことが判明した。東電は、仮にこれまでの上昇傾向が続き、2600Bq/Lに達しても、一時貯留タンク内ではトリチウム濃度は378Bq/Lになると試算しており、汲み上げ運用を継続する方針を示している。

■全編動画

地下水バイパス揚水井No.12でトリチウム濃度が上昇

 運用基準値(1500Bq/L)を超えるトリチウム濃度が検出されている、地下水バイパス揚水井No.12で、さらに濃度が上昇し、6月16日採水分では2000Bq/Lの過去最高値に達したことが判明した。東電は、仮にこれまでの上昇傾向が続き、2600Bq/Lに達しても、一時貯留タンク内ではトリチウム濃度は378Bq/Lになると試算しており、汲み上げ運用を継続する方針を示している。

 原子炉建屋に流れ込む地下水を抑えるため、地下水を汲み上げ迂回させる地下水バイパスにて、地下水を汲み上げる井戸No.12は、汲み上げを開始した4月15日当初から1500Bq/Lを観測し、その後も1100~1700Bq/Lと高い濃度を観測している。

ALPS CFFの改修状況

 多核種除去設備ALPSは、CFF(クロスフローフィルタ)に使われていたテフロン製のガスケットが放射能劣化により損傷し、性能劣化を起こした。原因調査の結果、ガスケットを耐放射能性の強い合成ゴム製のOリングへ改良、変更し、A系は4月23日に、B系は6月9日に処理運転を再開している。

 C系は6月19日に処理運転を再開する予定だったが、CFFの腐食対策が不充分なことが分かり、追加の対策を行うことが報告された。これにより、C系の運転再開は6月22日に延期され、A系、B系も7月以降に同様の対策を行うことを計画している。

 なお、テフロンが耐放射能性が劣ることは従来からよく知られており、文献も多数存在する。にもかかわらず、高い放射能に長時間曝される箇所に、なぜテフロンを使用したのか。これについて記者が質問したが、東電はALPSを製造した東芝がどう考えたのかわからないと答えるのみである。

4号機燃料プールからの燃料取出し計画を変更

 燃料を貯蔵する”共用プール”から燃料を貯蔵用キャスクに移し、空いた場所に4号機使用済燃料プールから取り出した燃料を移送する作業が、2014年末までの完了を目指して進められている。しかし、貯蔵用キャスクの製造、調達が当初の計画より予想以上に時間がかかり、計画通りに共用プールの空きが設けられず、年内に完了しないことが判明した。

 そこで東電は、6号機の使用済燃料プールに、4号機使用済燃料プールに貯蔵されている新燃料を移送することによって、計画通り2014年末までに4号機の燃料をすべて取り出すことを検討したという。今後、規制委に実施計画変更認可を申請し、認可された後に実行する予定である。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

 報道配布資料

2014年6月18日

2014年6月17日

プレスリリース

2014年6月18日

2014年6月17日

2014年6月16日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

2014年6月18日

道関係各位一斉メール

2014年6月17日

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