「予期しないことが起こることを想定していない」委員らが東電に提言~東京電力「第6回原子力改革監視委員会」(冒頭挨拶のみ) 2014.5.1

記事公開日:2014.5.1取材地: テキスト動画
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 2014年5月1日10時より、東京電力本店にて「第6回原子力改革監視委員会」が開催された。冒頭挨拶でデール・クライン委員長は、柏崎刈羽原発の再稼働と福島第一原発の廃炉には別のスキルが必要という理由で、廃炉推進カンパニーの設置を高評価した。

 一方、地下水バイパスは水の問題に前向きに取り組んでいると評価したが、水管理プログラムについて、「まだ改善が不充分だ」と指摘。さらに、「コミュニケーションと安全文化の浸透には、まだ改善の余地がある」と指摘した。安全文化の浸透が不充分であることは、「予期しないことが起こることを想定していない」と苦言を呈し、「過去の過ちから学び、手順をきちんと守ることが大事だ」と釘をさした。

■全編動画

  • 日時 2014年5月1日(木) 10:00〜
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

廃炉推進カンパニーを高評価~デールクライン委員長

 2014年5月1日10時より、東京電力本店にて「第6回原子力改革監視委員会」が開催された。冒頭挨拶部分のみ、報道公開された。

 デール・クライン委員長は、福島第一原発4号機の使用済燃料の取り出しが順調に進んでいること、炉心の冷却が維持されていること、廃炉推進カンパニーの設置は前向きなことだと評価した。特に、廃炉推進カンパニーについては、「福島第二原発で実績のある増田尚宏プレジデントを採用したことと、柏崎刈羽原発の再稼働と福島第一原発の廃炉には別のスキルが必要であり、廃炉推進カンパニーの設置は前向きな対策だ」と述べた。

 一方、地下水バイパスは水の問題に前向きに取り組んでいると評価したが、水管理プログラムについて、「まだ改善が不充分だ」と指摘。さらに、「コミュニケーションと安全文化の浸透には、まだ改善の余地がある」と指摘した。安全文化の浸透が不充分であることは、「予期しないことが起こることを想定していない」と苦言を呈し、「過去の過ちから学び、手順をきちんと守ることが大事だ」と釘をさした。

 デール・クライン委員長は、「福島第一原発のクリーンアップは大きな作業であり、引き続き進めるとともに、改革監視委員会でも監視していく」と今後の展望を示した。

安全の追及に終わりはない~各委員のあいさつ

 バーバラ・ジャッジ副委員長は、「ソーシャルコミュニケーション室室長に女性を起用し、室長のリーダーシップのもと、コミュニケーションのスピード感、透明性が改善している」と評価。

 櫻井正史委員は、「安全の確保は終わることのない我々に課せられた使命だ」と述べ、「安全確保とともに、広報・説明責任を果たすことが義務だ」と指摘した。

 数土文夫東京電力会長は、今回より改革監視委員に参加。「責任の重さを改めて肝に銘じる」と述べ、「安全推進に終わりはなく、現場の努力と改革監視委員会とが協調し、成果を出していきたい」と抱負を述べた。

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