福島第一原発点検作業中に作業者1名が死亡~東電定例会見 2014.3.28

記事公開日:2014.3.28取材地: テキスト動画
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 2014年3月28日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。原発事故収束作業中の50代男性作業者1名が死亡する事故が発生した。発生時間の関係から、本定例会見で報告を行い、別途の会見は予定されていない。

■全編動画

  • 日時 2014年3月28日(金)17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

協力企業作業員の死亡事故発生

 福島第1原発のコンテナ倉庫付近で、建屋基礎部分の点検作業中に作業員が土砂の下敷きになり、その後病院で死亡したことが発表された。東電によれば、原発事故収束作業中の死亡事故は初めて。事故に関しては、28日の定例会見で発表することが全てで、別途、特別な記者会見は行われない。

 事故の発生現場は免震重要棟の北側にある、固体廃棄物貯蔵庫の空コンテナ倉庫付近。今後、廃棄物の貯蔵に使うため、地震で痛んだ建物の補修をする基礎部の点検、補修の為の作業だった。建物の外側に穴を堀り、建物の基礎部分の点検を行っていた。その際、掘った穴に入って点検を行うための準備作業として掘削作業中、コンクリートの塊が崩れ、土砂と一緒に埋まってしまったという。

 救出後、構内のER医療事務室へ搬送され、身体サーベイでは汚染がなかったが、心静止の状態だった。その後、救急車でいわき共立病院へ搬送され、治療にあたったが、その後、死亡が確認された。

14時20分 事故発生
14時59分 1F構内ERへ搬送
15時26分 磐城共立病院へ救急搬送
17時22分 死亡確認

 作業者は、50代の男性、東双不動産管理株式会社を元請けとしており、発電所関係で3年ほどの作業経験があるが、原発なのか、何の経験なのかを会見担当者は把握しておらず、回答は得られなかった。なお、当該エリアは、マスクなしで作業可能なエリアであり、外部への放射性物質の影響はないという。だたし、死亡した作業者は、粉塵が舞い上がる作業をしていたため、前面マスクを着用していたとのこと。

 東電は、原発事故収束作業中の死亡事故は、本件が初めてだと発表している。過去の死亡例については、原因が”既往症由来”だという。事故現場には警察が入り、状況を確認しているため、原因などの具体的なことはまだ公表されなかった。

 今年2月19日に公表され、20日から運用開始されたばかりの《福島第一原子力発電所における事故・トラブル等に関する「通報基準・公表方法」》では、【作業に起因する死亡事故】が発生した場合は、緊急記者会見を開催することになっていたが、いまだ開催されていない。「役員等の会見がないのか」と記者が質問すると、広報担当者は、「会見をしないとは言っていない。まずは、この会見でご説明したと申し上げた」と回答した。

ALPS現在C系のみ運転

 停止していた多核種除去設備ALPSは、現在C系のみが運転を再開し、サンプリングタンクの通水洗浄を行っている状態だと報告された。A系B系は、クロスフローフィルターの性能不良が疑われ、原因調査、対策が行われている。  汚染水処理のためにALPSは要の装置だが、全系統運転再開の目途はまだたっていない。「できるだけ早く」と東電は答えている。

新旧会長の会見は予定なし

 2014年3月末日をもって、下河邉和彦会長が取締役会長の職を辞し、4月1日より數土文夫氏が後任会長に就任すると、1月15日に発表されている。  新旧両会長の会見予定について記者が何度も質問しているが、「予定はなし」との回答である。

■■■■■■ 以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年3月28日

2014年3月27日

プレスリリース

2014年3月28日

2014年3月27日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年3月28日

2014年3月27日

写真・動画集

2014年3月28日

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