前回のエントリーの続き。 1月8日金曜日、2010年最初の亀井大臣オープン記者会見。続いて、国民新党入りが噂される山崎拓氏についての質問が飛ぶ。
前回のエントリーの続き。 1月8日金曜日、2010年最初の亀井大臣オープン記者会見。続いて、国民新党入りが噂される山崎拓氏についての質問が飛ぶ。
■全編動画
安積「フリーランスの安積と申します。よろしくお願い致します。
先ほどの会見で政治家の政策が変わるということを仰いましたけれど。山崎拓さんは普天間移設について日米合意の厳守を主張されていますが……」
亀井「なになに?」
記者「山崎拓さんは、普天間移設についてですね、日米合意を厳守すべきだというふうに主張されておりますが、もし山崎拓さんが国民新党の方から出馬するということになると、県外移設、国外移設を主張される代表の意見をお変えになるということになりますか」
私もこの日、一番聞きたかった、「山崎拓氏、国民新党から出馬か?」という情報についての質問が、出た。亀井大臣、まだこの話題には触れられたくなかったようで、笑ってお茶を濁す。
亀井「まだ拓さん、国民新党に入りたいってことは言ってないもん。そんな聞いてないよ(笑)」
記者「もしその場合は、変えられますか」
亀井「もし、もし言うたってさ。もしももしもって言ったら小泉純ちゃんが国民新党に入りたいっていうような話になっちゃうよな」 (笑い声)
亀井「こりゃちょっと無茶な質問だよ。今の時点ではなぁ」
大塚「ということで次の方。では岩上さん」
岩上「フリーのジャーナリストの岩上です。よろしくお願いします。あのー、すいません……」
大塚「短くね」
岩上「無茶な質問続きで申し訳ないんですが、ちょっと正確に申し上げます。社会福祉法人で、全国精神障害者社会復帰施設協会という団体があります。全精社協……」
亀井「新聞出ていたやつだな」
岩上「こちら去年、業務上横領事件を起こしまして。補助金の不正流用事件。で、幹部が逮捕されましてですね。自民党の政治家に、闇献金といいますか、違法献金をしたということを自白している。その中にですね。自民党の元幹事長がいるということが新聞の報道で出ています」
亀井「誰なの?」
岩上「それが山崎拓さんであると」
亀井「ホントー(驚)」
岩上「という風に目されておりますが。これはどうなるか分かりませんけれど、捜査続行中です。もしですね、国民新党から山崎さんが出られることになって、こういう問題が浮上してくるようなことがあったら、大変国民新党にとっては大きな、まぁ、リスクを背負うことになるかもしれないですが。そのへんについてご見解を」
亀井「それはね。こんなこと言って俺、拓さんがうちに入りたいと聞いたわけじゃないけれど、拓さんがそこからもらっていることも初耳だな。聞いてる?」
大塚「いえいえ」
岩上「確実にそれは起訴されるまでは、それが現実になるかどうかは確かに申し上げられないですが」
亀井「今、捕まった人が言っているの?」
岩上「団体側の職員ですね」
亀井「起訴されていないの」
岩上「贈賄側の方が、贈賄とはいいませんね。まあ要するにお金を出した側、あげたほうが、違法献金した側の自白ですね」
亀井「ようわからんなぁ。俺に意見といっても、無理だよ、俺に聞いたって」
亀井大臣は、本当にこの事件について、詳細を知らなかったようである。大阪が舞台の事件で、手がけているのは大阪地検。新聞も全国版ではなく、関西や西日本版でないと詳細な記事は出ていないが、捜査は進んでおり、「自民党幹事長」に違法献金がわたった疑いがあることがすでに新聞記事となって出てきている。この件は、改めて詳しくお伝えしたい。
大塚「ちょっと時間がもったいないんで次行きましょう。女性の方いないですか? 今日」 (笑い声)
亀井「女性優先、女性優先」
大塚「じゃあ、一番手前の方どうぞ」
秦「金融ファクシミリ新聞社の秦と申します。
今日、デリバティブ、金融資本市場整備の話で法改正もあるかもしれないというご発言でしたけれども、大体、今検討中のものを結論をえる時期というのはどのへんになりそうだとお考えでしょうか」
亀井「まあ、通常国会に出すとすれば、通常国会。ということで今、二人が一生懸命やってくれているんでね。まあ二人の天才的な頭脳を持った政府は早くやるよ」
大塚「じゃあ、次の方。じゃあ、奥の方どうぞ」
佐々木「フリージャーナリストの佐々木実といいます。よろしくお願いします。
あの総務省の原口大臣が、鈴木次官を交代させるという報道があって、その中で鈴木さんがその郵政改革推進室の方にあてられるという……」
亀井「聞いてない」
佐々木「報道もあるのですが……」
亀井「全然聞いてない。全然。あなた聞いている? そんな話」
大塚「いえ、聞いてないです」
亀井「全然聞いてない。これマスコミ辞令だろ(笑)」
佐々木「わかりました」
大塚「あとお一人かお二人なんで。それじゃ目が合ったんでどうぞ」
水沢「フリーランスの水沢と申します。
あの貸金業法の完全施行が間もなくになっているわけなんですが、そのことについておうかがいします。
もう17年の懇談会で17回懇談会というか、内容もかなり濃く議論がされているわけなんですけれども、その時に貸金業で借りて被害を受けたという人、これは何人も何人も呼ばれて次々に意見を供述されているわけなんですが、一方で、貸金業を健全に利用している人、いわゆるその正常利用者というものは一人も呼ばれなかったし……」
亀井「どこに呼ばれなかったの」
水沢「懇談会です。貸金業改善についての。これに17回開催したのに一人も呼ばれない。あのう、貸金業とはいけないものなのだというふうななんか、コンセンサスみたいなまま、あの法律は出来ていんじゃないか、という感じもあるんですが、このあたりのご見解をお願いします」
亀井「俺もねえ、サラ金に俺自身、世話になったこともないし。あの世界のことね、良く知らないんだけども。私の場合は一般的な常識みたいな話になっちゃうんだけどもね。そりゃやっぱしあれなんじゃないの。あれだけの需要があるということはね、それなりの一つの社会的責任の一端を果たしているということは事実なんでしょうね。だから裏返して言うとさ。政府系金融機関とかね、一般の金融機関がね。そういう分野についてね。責任を果たしていないということだ。その裏返しにもなるわけなんだね。
だから6月施行を目指して、今まだこれも、二人とも大変なんだけどね。この運用面についてそのまま実施しても問題がないかどうかということを検討しているんだけどね。これもなかなか難しい面があると思うよな。やっぱし、これで助かっている人が今度は困るから、どうにかしろという議論もあるんだけども、じゃあそれを、今の法律をもう一度手直しすることによって助かるのか、というとさ、これもエンドレスみたいに出てくるわけだしな。一番難しいね。
それはやっぱし、普通の金融機関、政府系金融機関等がもうちょっとね、色々なメニューの中でさ、まあ今度も郵政がね。そういうことをやれないかということも一つの検討材料としてあるわけですよ。国民新党は50万円限度でね。出来ればいいなとちょっと笑い話みたいなのを出しているけど、なんか小口の緊急のね、そういうものに手軽に応ずることが出来ないかどうかということをね。やっぱ真剣に考えなくてはいかんのじゃないかなぁ」
大塚「はい。それじゃあ。みなさん誠に申し訳ないのですが、今日はもう時間がありませんので、また次回きっちりやりますので是非ご理解下さい。よろしくお願いします」
亀井「はいどうもすいませんね、みなさん」 「どうもありがとうございました」
亀井「ごくろうさま」
今回は、参加した記者の人数が30名を超えた。大盛況、といってもいい。新しい顔ぶれも見えており、よい意味での緊張感が、保たれたそうである。
私がずっとこのオープン記者会見に出続けているのは、記者の側が出席しなければ、記者会見など成り立たず、いくら大臣が貴重な機会を提供しても、自然消滅しかねないからである。「開かれた扉」を、再び閉ざさないように努めることも、ジャーナリズムの努力にかかっている。私は、誰に命じられたわけでも、頼まれたわけでもないが、今年も、可能な限り、出席し続けていこうと思っている。