高濃度ストロンチウムの分析結果、「値が異常」との理由で昨年9月から公表せず~東電定例会見 2014.2.12

記事公開日:2014.2.12取材地: テキスト動画
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 2014年2月12日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水観測孔で500万Bq/Lのストロンチウム90を検出していたことについて、昨年9月に分析結果を得ていたが、値が異常と考え、次への業務フローを停止し、公表していなかったことが発覚した。

■全編動画

  • 日時 2014年2月12日(水)
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

ALPS 3系統運転中

 多核種除去装置ALPSは、B系が腐蝕対策有効性確認で停止していたが、その確認が終わり、12日の13時10分から3系統の処理運転を開始していることが報告された。

 現在ALPSは、A,B,Cの3系統運転になっているが、今後、A系、C系は、HICや吸着塔の交換等が予定されているため、その時に1系統が一時的に停止する。

H4、H4東タンクエリアの基礎コンクリートにクラック発見

 H4タンクエリアの堰内基礎コンクリートに約12mの長さのひび割れがあり、さらにH4東エリアにも約8mの長さのひび割れがあることが、2月11日のタンクパトロールで発見された。東電は、当該ひび割れは止水性が確認されているとして、漏洩対策として実施している”ウレタン塗装”を2月下旬をめどに、早急に完成させることを考えている。

 東電は当該のひび割れを、2013年12月に開口していない微小のクラックとして認識していた。その後、2013年12月26日、27日に堰内水張り試験を行い、水位低下がないことから、止水性を確認している。しかし、その後は止水性確認を行っていない。

 堰内には他にもひび割れがあり、応急的にエポキシ樹脂で止水補修を行っていた。今回、恒久的な止水工事として”ウレタン塗装”を行うとし、事前にコンクリート面の表面清掃を行ったところ、当該のひび割れが発見された。

 東電は今後、他のタンクエリアのひび割れ状況の総点検を考えている。

構内の放射性物質が発電所の南15kmの河口まで到達

 2013年6月~7月に、環境省が福島県双葉郡楢葉町で行った除染作業中、高線量の放射性物質を発見し、採取した。環境省は東電に、これらの分析を依頼し、東電はJAEAに詳細分析を依頼していた。JAEAから分析結果が東電に報告されたことから、その結果を東電がとりまとめ、発表した。

 福島第一原発から約15km南で発見された当該物質の分析結果からは、コバルト60が検出されたこと、セシウム134/137の割合が多いことが判明した。その結果、東電は当該物質が福島第一原発の構内にあった物質と推定した。しかし、発電所内の何であり、いつ放出され、どのような経路で到達したのかは特定できなかった。

 東電は、今回の報告をもって、分析を終了し、これ以上の調査は行わないことを明らかにしている。

ストロンチウム90の分析、数え落としについて

 先週の定例会見以降、ストロンチウム90(以後 Sr-90)および全βの測定方法が正しくなく、訂正が続いている。全βの数え落としと思われるデータが2件あったが、その1件について、時系列が口頭で発表された。

7月 5日 サンプリング採水

7月26日 Sr-90分析の溜めの前処理を開始している

9月12日 分析結果が出た

10月   分析の手順書を定めた
      人員の増強を行い、品質管理上、一定の品質を保つ測定が出来るように手順書を強化

2月 6日 規制庁に報告

 9月12日にSr-90が500万Bq/Lという分析結果が出ている。その時、東電は周辺の観測孔や過去データと比べ、あまりにも異なるため、正常な計測ではないと判断し、分析結果をとりまとめてリリースする「確定作業」へ進むという業務フローを停止していた。

 その後、分析方法を調査し、数え落としなどにより、異常があることが判明。2月5日に会見で発表し、2月6日に規制庁に報告したという。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年2月12日

2014年2月11日

プレスリリース

2014年2月12日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年2月11日

写真・動画集

2014年2月12日

お知らせ

2014年2月12日

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