2009/09/04 00:44 【共同通信】
民主党のNo.2、幹事長の座は、小沢一郎が就くことが明らかになりました。
前のエントリーの続きになります。
公明党は、自民党との連立を解消して、衆議院小選挙区から撤退し、比例区のみか、あるいは参議院だけに特化した政党になる可能性があると書きました。
その背景にあるのは、小沢氏が描く次の戦略です。
小沢氏が民主党の次期幹事長に就任する見込みである、ということは、来年の参院選の勝利をめざして、このままノンストップで、小沢氏が選挙の指揮を執る、ということですが。
党内の権力基盤を固めた小沢には、隠された戦略があるらしい。
民主党のマニフェストには、衆議院の比例代表定数を削減する、と書き込まれています。
選挙前には、あまり関心を集めていなかったこの公約に、俄然、政界のひそかな注目が集まっています。
480から、比例の80をなくし、定数を400とする。選挙区は、300なので、100の選挙区は、二人区となるのではないか、という話が出ています。
こうなると、民主党の自民党の二大政党にとっては有利で、小規模政党は議席を取るのが、きわめて難しくなりそうです(今の自民党と民主党が、そのままの形で残っているとは限りませんが)。
当然、共産党、社民党、公明党、国民新党などは、存亡の危機に見舞われるので、この選挙制度改革に反対する可能性が高い。
ところが、公明党は、この改革に足並みをそろえて、衆議院から手を引いて、参議院だけにしぼろうとしている、というのです。
もちろん、その先にみすえるのは、民主党との参議院での連立です。
現在、参議院では、民主党は単独過半数を占めているわけではないので、他党との連立が必要です。
今までどおりなら、社民党などとの連立を模索するはずですが、社民党は安保政策を筆頭に、ことごとく政策面でかみあわない。
社民党自身も、自分達はこのままでは埋没してしまうといいう焦りからか、民主党との違いを強調しようと、悪目立ちが目につきます。
おそらく、社民党は、自分達は来年の参院選までで、あとは捨てられるんじゃないかという懸念を抱いているはずです。
ですから、なおのこと、護憲原理主義の色合いを強め、空想的平和主義を唱えることでしょう。
たぶん、民主党の支持者の中でも、社民党に辟易している人は少なくないので、この離縁は、支持される可能性が高いと思われます。
そこで、新しいパートナーに迎えられるのが、参議院に特化した、公明党である、というわけです。
もちろん、こんなゴタゴタは、国民の嫌悪感を招くでしょう。
さらに、幹事長に就任して、党の実権を握った小沢氏に対し、民主党内部からの反発も強まることでしょう。
民心の離れたその時、自民党が立ち直っていたら、政権の座に返り咲くというシナリオもありえるかもしれませんが、今までの経緯を見ていると、自民党は、衰退していく一方かもしれません。
そのときには、誰もが懸念(もしくは期待?)していることですが、小沢氏が、自分の派閥を引きつれて、民主党を割り、新党の結成に走るかもしれません。壊し屋の本領発揮です。
現実になったら、またその繰り返しか、と、うんざりしますが、小沢氏の寿命がつきるときまで、不安定な政局は続くのかもしれません。