日本が他国から攻撃を受けるとしたら、まず狙われるのは沖縄米軍基地ではなく「京都」になるだろう。「Xバンドレーダー」が京丹後に設置されるからだ。
「反戦老人クラブ・滋賀」が、11月15日に滋賀県で開いた「近畿に、米軍基地はいりません!学習会」で大湾宗則氏がこう指摘した。
大湾氏は「米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会(準)」の共同代表を務める人物。この日の勉強会では、Xバンドレーダーとはどのようなものか、どのような危険性があるかを大湾氏が説明した。
(IWJ 原佑介)
日本が他国から攻撃を受けるとしたら、まず狙われるのは沖縄米軍基地ではなく「京都」になるだろう。「Xバンドレーダー」が京丹後に設置されるからだ。
「反戦老人クラブ・滋賀」が、11月15日に滋賀県で開いた「近畿に、米軍基地はいりません!学習会」で大湾宗則氏がこう指摘した。
大湾氏は「米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会(準)」の共同代表を務める人物。この日の勉強会では、Xバンドレーダーとはどのようなものか、どのような危険性があるかを大湾氏が説明した。
■ハイライト
Xバンドレーダーはミサイル防衛に用いられる、1000キロ先の小さな目標物も識別できるという高性能なレーダーだ。米軍が北朝鮮などのミサイルを追尾・撃墜するため、京丹後の経ヶ岬にある航空自衛隊基地内に、このレーダーを設置する。今年2月、日米間で決定し、9月に京丹後市が正式に了承した。
Xバンドレーダーは強い電磁波を発するため、住民の健康や環境に対し悪影響をおよぼす可能性が指摘されている。また、自衛隊基地内に設置するとはいえ、160人の米軍人、軍属が、約1600人が住む京丹後・宇川地区に移り住むことになっている。
今回のレーダー設置計画によって米軍基地が作られるわけではないが、地元住民にとっては事実上の米軍基地ができるも同然だ。当然、レーダー設置を不安を抱く地元住民は少なくない。宇川地区で行われた、沖縄・高江の反基地建設運動を描いたドキュメンタリー映画「標的の村」の上映会には、400人もの住民が参加したという。
レーダー設置の目的について大湾氏は、「レーダーが『国防』のために必要だというが、アメリカの国家予算で置くなどというのは、お金のない米国がやるはずがない。米国の国益のためだ」と断言し、レーダー設置に反対する理由として、京丹後の歴史と現状についても紹介した。
「京丹後は、西の松島と呼ばれている。綺麗なだけでなく、大和朝廷よりも古い歴史を持つ『丹後王国』があった場所でもある。絶滅危惧種の隼も確認された。通常、あの辺りの土地は一反あたり七千~一万円。レーダーに伴う土地の買収にあたって、防衛省が住民に提示したのは、1反30万円。地元住民のほっぺたを、金で叩いているのだ。過疎地で生活も大変だが、逆に言えば、日本が失いつつある土地の美しさを全て残している場所でもある」
沖縄などで多発している、米軍による強姦をはじめとした事件・事故が起き、そしてそれが公務中の米軍によるものであれば、日米地位協定17条によって日本の警察は手を出せず、基地内は治外法権になる。宇川地区という静かな集落が、こうした米軍被害に見舞われないためにも、基地は作ってはいけないと大湾氏は指摘した。
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