福島第一原子力発電所のタンクから汚染水が漏えいしている問題で、今回、新たに別のタンクからも漏えいしている可能性が強いとして、原子力規制委員会は東電に、至急調査するように指示した。
8月30日、5回目の特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループで、東電が規制委員会に出したデータから、海につながるトレンチの水に含まれる放射性物質の濃度が上昇していることが分かった。タンクから漏洩している汚染水は、現在、海への流出も疑われている。
前回のワーキンググループで指摘があった、約930基のタンクに対し、2名という、圧倒的に少ない人数でタンクの確認作業をしていたことに対し、東電は、9月2日より人数を増やし、体制を強化していくと報告した。1日2回、2名ずつで行っていたパトロールの体制を大幅に変更し、人数を約60名に増員。また、パトロールの回数も1日4回に増やして行う。さらに、今後はエリアを10箇所に分け、エリアごとに責任者を決めることを報告した。
また、規制委員会は、タービン建屋海側における汚染水の漏えいと流出に対し、現在、漏えい場所として疑われているトレンチ立坑以外にも、タービン建屋からの流出の可能性も強く指摘。新たに、1号機の立坑Bの脇に井戸を掘るように東電へ指示を出した。