「具体的な手順は持っていません」。原子力規制委員会の更田豊志委員が、重大事故に対する最終的な収束手順について関西電力にたずねると、原子力事業本部の吉原健介部長がはっきりと答えた。
10日に行われた、第3回目となる大飯発電所評価会合では、関西電力側から事故シーケンス(事故に至る一連の物事の組合せや発生順序、発生タイミングなどの記述)の選定やその対策の有効性評価などについて説明があった。
関電の説明では、LOCA(※)の場合の対応手順の最後が、どの事故シーケンスにおいても「炉心冷却を継続する」「冷却の継続を確認」「炉心冷却が継続的に行われていることを確認する」などの似通った表現になっている。
更田委員はこの点を指摘し、「(炉心が)一応安定した状態になったとはいえ、最終的にLOCA後の長期冷却をどうマネージ(=管理)する手順になっているのか?」とたずねた。すると、しばらくの沈黙のあと、関電側は「そこまでの具体的な手順は今は持っていません」と回答。議論は次回以降に持ち越しとなった。
次回の会合は5月16日(木)に行われる。
(※)LOCA:冷却材喪失事故(れいきゃくざいそうしつじこ、英語: loss-of-coolant accident, LOCA)とは、軽水炉において冷却材および減速材として用いられる軽水が配管の破損等によって流出し、炉心の冷却機能が損なわれる事故をいう。(wikipediaより)