2013年3月3日(日)13時30分より、東京都千代田区の明治大学リバティーホールにおいて「福島・首都圏の集い ― 福島原発災害に学ぶ」が開かれた。原発事故後に続く放射能汚染、政府と県の安全神話の流布とあいまいな対応などについて、行き場のなくなった汚染地域の住民が、現状と不満を訴えた。質疑応答では、激励、拍手、そして激しい議論も起こった。
(IWJテキストスタッフ・関根/澤邉)
2013年3月3日(日)13時30分より、東京都千代田区の明治大学リバティーホールにおいて「福島・首都圏の集い ― 福島原発災害に学ぶ」が開かれた。原発事故後に続く放射能汚染、政府と県の安全神話の流布とあいまいな対応などについて、行き場のなくなった汚染地域の住民が、現状と不満を訴えた。質疑応答では、激励、拍手、そして激しい議論も起こった。
■ハイライト
司会は、いわき市たいら出身のNPO法人ふくしま支援・人と文化ネットワーク事務局長・郡司真弓氏が務めた。最初に、飯舘村出身で、伊達市仮設住宅に避難中の安斎徹氏がスピーチに立ち、「住民は、被曝で苦しんでいる。体調不良を訴える人が多い。また、福島の子供たちは、外で遊べない、土にさわれない。行政は、原発廃炉の目処がまったく立たないのに、住民を帰村させようとしている」と訴えた。
次に、飯舘の新天地を求める会から、伊藤延由氏が登壇した。「2010年に飯舘村に入植して、農業研修所の管理人を務めながら、農作業をしていた。それが、3.11で変わってしまった」。そして伊藤氏は、飯舘村に設置されているモニタリング測定器に表示されている低い放射線数値と、持参した高精度の測定器に表示された数値の違いを示した。
続けて伊藤氏は「昨年、自分たちは、飯舘村の1500世帯に独自のアンケート調査を実施した。その結果、85%の住民が健康不良を訴えた。除染は、業者のためのもので、それほど効果はない。国と自治体は、最初、居住区域の除染の目標年間積算放射線量を1ミリシーベルト以下にしたが、除染では下がらないことがわかった。それで基準を年間5ミリシーベルトに引き上げたが、これは放射線管理区域の数値で、一般人の立入禁止区域と同じ。
しかし、これでも目標値を達成できないので、昨年8月7日、福島市住民懇談会において、年間20ミリシーベルト以下に再び改訂し、その影響を、タバコや仮設住宅でのストレスよりも低い影響といい、避難指示解除準備区域と称して、帰村宣言を予定している」と報告した。
次に、大熊町の明日を考える女性の会の木幡ますみ氏がスピーチした。
(…会員ページにつづく)
福島原発事故の悲劇は、放射能汚染地帯に、住民が生活のために居住し農業など生産活動をし続け無ければならない状況に置かれていることだ。自然放射能以外の人工的な放射性物質と人間は共存出来ない、してはいけない。放射能汚染地帯の人は別の場所で生活の再生を図らせることが基本的解決策である。ところが、政府の施策はこの点を全く隠蔽して、対策案として避けている。住民に「古里に帰りたいか?」と問えば、「帰りたい」と答えるに決まっているが、それがチェリノブイリの例を見ても「もう死んだ子の歳を数える事にすぎない」現実を日本の社会全体で認めなければならない。
また、IAEAなど国際的原子力推進機関、日本政府、日本の原子力村、それを支えて企業の存続を図る経団連企業、そこに働く連合などの組合、放射線の影響を研究する医療関係者は、それを認めず既存権益を構成する社会システムを守るために、虚言を弄して否定している。福島の住民より自分の所属する組織や社会体制、生活の継続を図っているとしか言えない対応をしている。
また、汚染地帯以外の人も、放射能に汚染された食べ物を摂取することは、本能的に拒絶する。しかし商品に紛れていれば避けることが出来ないが、緩い規制と低線量汚染を隠して汚染商品を流通させている。瓦礫の全国的処理に見られる様に汚染を拡散させようとしている。つまり汚染地帯で経済活動を無理にやらせようとしている。放射能汚染を拡散させてはならず、集めて閉じ込めるという基本政策をしなければならないが、現在の公共団体は真逆の政策、臭いものには蓋、汚染を測定しない(現実の隠蔽)、薄めて拡散しようとしている。国策だから拙いと思ってもそのまま、日常的事務処理で実行している。法律として規定されている数値や規則も無視で違法行為を公共機関や官僚が平気で行っている。
福島の特に飯舘村に代表される、除染で帰還できる環境を整える、非難勧告解除で住民は戻るようにする施策は、政府、福島県、飯舘村菅野村長によって強力に進められているが、これは健康を害し、生活再建(農業)できない無理なことを、住民に強いる事になっている。住民はモルモットであり棄民でしかない。
この事態は、本質的に二項対立であり、安全である、安全でない、再建できる、再建は長期間出来ない、という対立を生んでいる。どちらの意見を個人が採るかで宗教戦争の様な対立を住民間で生んでいる。この事態は関係者を鬱病にさせる精神的な二重拘束に他ならない。
人の生活を守る施策(別な場所での生活再建支援)を、行政に採らせて、政府、原子力ムラや東電など関係者の法的な責任を追求していくことが必要である。マスコミ特にNHKなどは菅野村長を美化し、被災地応援、被災者の気持ちに寄り添うなどのキャンペーンを行い避難解除、汚染の実態隠しを側面で正当化している。被災者の別な場所で、放射能の影響を心配ぜす子供を育てて仕事が出来る環境が欲しいという要求を隠蔽している。これは犯罪である。
荒井信一氏による真摯なご意見・ご指摘に深く感謝。
日本国憲法では、
「第13条 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と。
<ー日本国憲法でいちばん大切な条文は第13条。他の全ての条文は第13条を具体化するためにある。>
そして、
「第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」 と。
なのに、なぜ、「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」は、日本国憲法に従っていないのでしょうか?