2012年3月25日(日)、静岡県島田市の市民会館ホールで行われた、放射性物質と災害廃棄物に係る講演会の模様。
(IWJ・天木)
2012年3月25日(日)、静岡県島田市の市民会館ホールで行われた、放射性物質と災害廃棄物に係る講演会の模様。
■全編動画
※野口講師講演の最初の方で数回音声が乱れています。ご了承ください。
冒頭、桜井市長があいさつ。「被災地の一刻も早い復旧復興のためには仮置き場に山積みとなっている災害廃棄物の迅速な処理が急務。被災地の痛みを分かち合うことが被災地を助けることになる」と広域処理に理解を求め、「試験溶融の結果、安全性が実証できたと考えている。市自治会連合会の、賛成・支援協力の意見表明、受け入れを積極的に進めるよう求める市議会の決議案可決を踏まえ、岩手県山田・大槌両町の災害廃棄物(木材チップ)の本格受け入れを正式に表明した。受け入れるのは1日約20トン、年間5,000トンを目指している。今後は国・県と調整を図りながら1日も早く受け入れができるよう事務手続きを進めていく」と説明した。
「市民の理解と安心感を高める一助にする」という趣旨で、専門家2人の講演が行われ、放射性物質や災害廃棄物処理について科学的な視点から解説した。
野口氏は「放射性物質に対する考え方について」というテーマで放射線障害の特徴などを解説、「低線量領域での人体への影響について信頼できるデータはない」として、「受け入れには多数の住民の合意と住民の安全性確保が条件。それらを満たすならばできるだけ受け入れられるべきだ」と話した。
宮脇氏は「災害廃棄物の処理・処分について」と題して講演。がれきの現状を写真を多用して紹介。岩手・宮城の災害廃棄物へのセシウムの付着は微量であること、焼却の際に出るガスからは検出されないこと、土壌で吸着し地下まで浸透しにくいことなどを解説した。
質問に対し、「バグフィルターは160〜170℃の温度。セシウムが気体として抜けていくということは考えにくい」(野口講師)、「バグフィルターメーカーは自前で放射性物質を測る義務はないので、放射性物質を除去する能力があるか否か答えることはできない。通り抜ける量は完全にゼロではないかもしれないが、今の技術では検出できないくらい低い」(宮脇教授)などの回答があった。