2023年1月29日(日)午後2時より、大阪府高槻市のクロスパル高槻にて、リニア市民ネット・大阪の主催による「第18回リニア勉強会『地域の“交通の権利”と緑と水のまち』~リニア・北陸新幹線・気候危機を乗り越えるコミュニティの現在・未来~」が開催された。
始めに、FoE Japan 柳井真結子氏より、今に至るまでの工事計画の経緯と次々に発覚している問題点について述べられた。
内容としては、
・建設目的:東京-名古屋-大阪を結んだ1つの経済圏を作り上げることによる、日本経済の活性化
・開発計画は1962年から始まっていた。
・1990年代に山梨県での実験線が完成したが、既にその時から水害など環境への影響・問題は発覚していた。
・2011年 東日本大震災のドサクサ紛れに整備計画決定。
・2014年 環境影響評価 事業認可 安倍首相が、アメリカにリニア技術を無償で提供することをを約束。地上から40m以下の大深度地下工事であれば、住民に同意を求める必要がないとされた。
・2020年 静岡問題発覚と報道されるようになったが、以前から静岡県は問題提起し反対し続けていた。
・2021年 工事区間での事故が多発し始め、犠牲者も出した。また今に至るまで事故は続いている。
・2022年 シールドマシン故障により、工事は止まったままだが、岸田首相は、2023年中に環境影響評価に着手したいと述べる。
・2027年に完成予定だが絶望的とされている。状況は、静岡県が反対しているという理由だけでなく、残土中に有害物質が検出され、持っていく場所がないためトンネル内に仮置きしている状態であり、工事進まず。
というものである。
計画自体の問題点としては、
・具体的な事業計画(駅などの位置や構造含む)が公表されない中でのアセス・問題発覚後の変更
・事業計画の記述内容の間違い多数
・環境影響を把握するために必要な情報やデータが、十分に示されていない/出されていない
が挙げられた。
また、今後の反対運動の方向性としては、アメリカ・メリーランド州でのリニア工事計画では多数のパブリックコメントが出され、そのために工事が中断していることを挙げ、日本ではどのように止めていくかが課題であると述べられた。