2022年2月27日、午後5時30分より、東京都渋谷区の東京体育館にて、「神宮外苑を守る有志ネット事務局」の主催により、「イチから知りたい神宮外苑再開発〜連続学習会 その1」が開催された。
「神宮外苑を守る有志ネット」の西川直子氏は、2021年12月14日に行われた東京都による地元説明会について、「140人ほどの住人や関心のある人が集まったのですが、『もう計画は決まっている』と、そして『それをご説明申し上げるだけだ』というようなスタンスでした」と語った。
西川氏を含め、都の対応に問題意識をもった人々が集まり、意見交換や情報交換を行う「神宮外苑を守る有志ネット」が生まれたとのこと。
この日の学習会には、一級建築士の大橋智子(さとこ)氏、新宿区議会議員の沢田あゆみ氏と河野達男氏の3名が、講師として参加し、再開発計画の問題点について発言した。
この再開発計画は、2022年から2036年の14年間にわたって行われる大規模なもので、その間、神宮外苑エリアは常に工事中となる。また、対象エリアは新宿区、渋谷区、港区にまたがっているため、各区にそれぞれ都市計画審議会があり、計画の全容を把握するのが難しい。
新宿区の都市計画審議会の委員である沢田氏は、新宿区での審議の現状について、次のように説明した。
「(2021年)11月22日の審議会では、樹木の伐採についてはまったく触れられることはなく、1月21日の審議会での厳しい追及により、初めて明らかとなりました。
伐採されるのは、再開発対象エリアにある1904本の樹木のうち892本であり、164本が移植され、848本がその場に残されます。そして伐採される892本のうち、(自然景観の保全を定めた)風致地区内にあるものが763本です。
審議会で区は、伐採の理由について、『再開発計画に干渉する樹木が736本あり、そのうち病気のものが517本ある』などと説明していますが、おそらく、樹木医などの診断はきちんと受けていないような気がします。
審議会では、最初、この再開発が『外苑の歴史と景観を破壊するものではないか』ということが問題となりましたが、とにかく、まずは『商業施設などが入る予定の複合ビルの建設ありき』なのです」。
質疑応答では、神宮外苑の近くに暮らす女性参加者から次のような質問があった。
「コロナになってから、運動不足だと思って、この辺りをよく散歩しているのですが、感覚的な言い方になりますが、この神宮外苑を歩いていて思うのは、すごく大きな木も、低い木も、すごく緑が豊かにあって、夏でもウグイスが鳴いているようなところなんですね。
高い建物がないので、すごく空が大きく見えて、素晴らしいところだなと思って歩いているんですけれども、今回、この学習会の中心になっているのは、『木を伐る・伐らない』ということが話題になっていると思うんです。
ですが、木を伐らなければ、この計画にあるような、185メートルもあるような建物とか、そういうものを作ってもいいということではないと思うんですね。
新国立競技場ができたときに、高さ制限が緩和され、(中略)(建設予定の)三井ガーデンホテルというのは、それよりも高い建物なのですね。だから、どういうふうにして高さ制限というのが、次々に緩和されているのか、そういう経緯を詳しく知りたいと思いました」。
無制限な樹木の伐採はもちろん問題であるが、再開発を含む自治体の都市計画の方向性がきちんと評価されたのか、不透明だ。
その点で、この再開発計画における事業者や自治体の市民への情報開示姿勢の不十分さが、厳しく問われている。
詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。