【シリーズ・崩壊する安倍総理の国会答弁02】収支報告書への記載義務は「主催で有る無し」「収支の額」は無関係との言質を官僚から取った無所属・山井和則衆議院議員! 前夜祭の契約主体は「参加者個人」と強弁する安倍総理の珍回答に「ありえない答弁するな!」 2020.2.9

記事公開日:2020.2.9 テキスト動画
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(文:永田由美+IWJ編集部)

 2020年1月31日の衆議院予算委員会でも、安倍総理は「桜を見る会」の「前夜祭」の運営をめぐって無所属で野党統一会派の山井和則衆議院議員から追及を受けた。

▲山井和則衆議院議員(2020年1月31日、衆議院インターネット審議中継より)

 「河井(克行)前大臣ご夫妻は、13人のウグイス嬢・車上運動員買収で大臣を辞められた。一人1万5千円のオーバーです。菅原(一秀)前大臣は地元の有権者の方、約110人にカニ、メロン、イクラを贈ったり、また香典を出した」と、内閣改造からわずか1カ月半で主要閣僚2人が辞任した事件について、山井氏は触れた。

 その上で、「それに比べたら800人もの(安倍晋三後援会の)方々を、無料で桜を見る会に招待して飲み食い。樽酒、フライドチキン、茶そば、赤飯。これは公職選挙法の買収や寄付の疑いがあるのではないか。弁護士の方々が公職選挙法違反と政治資金規正法の疑いを検討されている」と述べた。

総務省官僚が明言「収支報告書への記載義務について『主催で有る無し』『収支の額』は無関係」

 続けて山井議員は「桜を見る会」問題の中でも「前夜祭」の扱いをめぐる公職選挙法違反、政治資金規正法違反の疑いにスポットを当てて質疑を行った。山井議員も、まず総務省自治行政局の赤松俊彦選挙部長に質問を投げかけた。

■衆議院インターネット審議中継・予算委員会(2020年1月31日 出典:衆議院インターネット審議中継より)

山井議員「一般論でおききします。大きなパーティーを政治家が開いた、後援会主催で。その時に、プラスマイナスですね、収支がゼロであれば記載する必要がないのか、それとも収支がゼロかゼロでないかにかかわらず記載する必要があるのか、お答えください

総務省自治行政局 赤松俊彦選挙部長「お答え申し上げます。政治資金規正法上、収支報告書に記載すべき収支でございますけれども、判断基準というのは、当該団体の収支かどうかというようなことでございまして、それが『主催』であるかどうか、あるいは大小であるかどうか、あるいは収支の結果、ゼロになるかというところについては関係ございません

▲総務省自治行政局 赤松俊彦選挙部長(2020年1月31日、衆議院インターネット審議中継より)

山井議員「重大な答弁ですね。今まで安倍総理は、収支がプラスマイナスゼロだから、記載する必要がないとおっしゃってたけど、今明確に収支のプラスマイナスゼロは関係ないと。そして主催がどこかによって記載をするかどうか決まるということですけど(中略)、これ安倍後援会が主催の『前夜祭』なんですね。書いてあるんですよ、案内状にも」

 山井議員は、赤松部長が「後援会に関する収支であれば、その結果に関係なく収支報告書に記載する必要がある」と発言したことをふまえ、「前夜祭」についての報告書への不記載は政治資金規正法に抵触することを突いた。また、政治家の団体が主催かどうかは関係ないという言質も得たが、そもそも「前夜祭」は安倍後援会が主催であることを推認できる「物証」が存在している。

 安倍晋三事務所が2019年2月に地元支援者に送付した「『桜を見る会』のご案内」と記された案内状を、複数のメディアが入手して報じている。そこには、2019年4月13日開催の『桜を見る会』の案内に加え、前日の4月12日ホテルニューオータニで開催の前日夕食会の記載もあり、「安倍晋三事務所主催」と明記されている。

「前夜祭の主催は安倍後援会だが、契約の主体は参加者個人」と強弁する安倍総理に「もうー、あり得ない答弁、しないでください!」とあきれ返る山井議員

 しかし安倍総理は、前夜祭は会場のホテルニューオータニが主導して行ったもので、安倍事務所のスタッフは「手伝い」として会費の徴収や領収書の手交をしていると強弁する。

 山井議員「『領収書を誰が渡したか』というよりも、これ、契約主体、前夜祭は安倍後援会が主催だったら、一旦安倍事務所の秘書がお金を受け取ってるわけじゃないですか。それを次にホテルニューオータニに渡す、これ当たり前ですよ。(中略)この800人の前夜祭の契約は、主催者である安倍後援会が契約したということでいいですね?」

安倍総理「あの、えー、ま、あの日の夕食会についても、この主催は後援会でございますが、この契約の主体はですね、いわば、それぞれ個人がですね、個人が支払いを行っている、今までもですね、今までも申し上げてきました通り、た、たとえば、何十人かでですね、会合を開く際に、レストランなり旅館なりを、で、行う場合にですね、それぞれ、参加者がですね、個々で支払うのと、これは同じことでございまして…(以下略)」

▲安倍総理(2020年1月31日、衆議院インターネット審議中継より)

山井議員「もうー、あり得ない答弁、しないでください!」

 参加者が800人を超えるような宴会で、当日一人一人に対して契約内容を確認し、手書きで領収書を切るなどということ自体、非現実的な話である。「前夜祭の主催は後援会だが、契約の主体は個人で、それぞれホテルとの契約にもとづき会費を払っているので、報告書に記載しなくても問題ない」などという、あまりにも無理のありすぎる安倍総理の弁明に議場からはどよめきが起こり、山井議員もあきれ返った。

 さらに、安倍総理が主張する「手書きの領収書」なるものの実物が1枚も見つからないことについても山井議員が突っ込んだ。「自分は実物を見ていないがインターネット等で画像が出ている」と答えた安倍総理に対し、山井議員は「総理自身にとって有利な証拠になるはずの領収書なのだから実物のコピーを提示してほしい。『桜を見る会』については総理の答弁がコロコロ変わるから」と釘を刺した。

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