2016年10月28日(金)、首相官邸前と国会正門前で反原発連合主宰の抗議が行われた。
国会正門前では、日本共産党の吉良よし子参議院議員がスピーチし、共産党新人議員のいわぶち友参議院議員が、経産委員会で質問した際の世耕弘成経産大臣の答弁を紹介した。
いわぶち友議員は、避難指定解除をどんどんしていることについて、「住民の皆さんの中には、20ミリシーベルトを確実に低減できる保証がどこにあるのか、そういう声もあるじゃないか、それにどう答えるのか」と世耕大臣に質問。
その質問に対し世耕大臣は、「避難指示解除にあたっては、年間積算線量が20ミリシーベルト以下であることを要件の1つとしており、この水準は内閣官房で行われた専門家による検討でも、喫煙や飲酒、肥満、野菜不足など、他の発がん要因によるリスクと比較して十分低く、また女性や食品の安全管理を継続的に行なうなど、適切な放射線防護措置を講ずることで十分リスクを回避できる水準であると評価されているものである」などとした上で、「なお、不安を抱く住民の方々への対応には健康相談等の健康不安対策や、分かりやすいリスクコミュニケーションなど、相談員制度などをやっていきます」と答弁。
吉良議員は「確実に20ミリシーベルト以下を確保できるのか、という問いに対しては答えていないんです。基準の説明をするだけ」 と世耕大臣の答弁を批判した。
吉良議員は、(住民の方々への)相談体制を整えることは否定しないとした上で、「住民はなんで不安をおぼえているのか、それは、放射線が安全なレベルと言えるまで下げられるかどうかという確実性が、全くないからなんじゃないんでしょうか」と指摘し、「(世耕大臣は)それにも関わらずまともな答弁もしない。その上で不安はあるかもしれないが帰れという、大臣の姿勢はありえないと思う」と世耕大臣の不誠実さを批判した。
この日は雨にも関わらず、主催者発表で延べ約700人が抗議に集まった。